本の正しい保存方法は? きちんとしたやり方で書物を守ろう!
自分が過去に読みふけったり集めたりしていたりする大事な本。いつの間にか部屋を占領するほどの量になっている人も多いかと思います。自分の大切な本はしっかりと保存しておきたいですよね。そこで、本を保存できる方法についてまとめました。
1.本を保存する重要性
自分が集めた本は、棚に入れたり机の上に積み上げられたりしていないでしょうか。しかし、放っておくと本は傷んでしまいます。本を保存する重要性についてチェックしておきましょう。
1-1.本の天敵
本には天敵となるものがあります。その天敵とは湿気・日光・ホコリです。
本は、湿気によってカビが生えることがあります。本を保存する場合は環境に気を付ける必要があるのです。また、日光に当たると色が変わったりページが引っ付いたりします。さらに、ホコリを放っておくと虫やカビを呼び寄せるもの。その寄ってきた虫は、本を読んだときの油を養分して繁殖します。繁殖するだけでなく、その課程で本を劣化してしまうので注意が必要です。
1-2.本は思っている以上にデリケート
本と言えば、簡単に劣化しないものだと思いがち。しかし、ちょっとしたことで劣化してしまうものです。
まず、本を平積みにしておいている人は止めましょう。本を積み重ねると圧力によってページがくっ付いたり変形したりします。同じような理由で本棚いっぱいに入れるのもNGです。本の変形だけでなく出し入れするときに傷ついたり破れたりします。
また、スカスカの本棚に斜めで保管するのもよくありません。斜めにして保管すると本の背中部分に力が掛かって変形・破損の原因になります。本全体がグニャリと変形しているのも見たことがあるでしょう。その原因は、斜めで保存した結果です。
1-3.きちんと扱わないと虫が寄る
本に印刷してあるインクは、虫が寄ってくるエサにもなります。特に、シロアリなどには格好のエサです。シロアリにたかられると大きな穴が開きます。虫を払うときは防虫剤が効果的です。しかし、防虫剤を使うとシミにもなります。
インクだけでなく油をエサに集まる虫もいるのです。また、食べカスなどが本にはさまってしまうと虫が寄る原因になります。普段から汚れが付かないように扱うことが重要です。
1-4.箱に入れっぱなしなのもNG!
本棚に保存できない本。そのような本を段ボール箱などで保管する人もいるでしょう。しかし、箱に入れっぱなしにするのはおすすめできません。
段ボールは非常に大きいので漫画・文庫・新書にかかわらず保存しやすいです。しかし、段ボールは湿気を吸いやすい特徴があります。本にとって湿気は天敵です。段ボールが吸った湿気が箱の中にたまり本にも影響します。
段ボール箱から久々に出したとき、紙がぱさついていた経験はないでしょうか。段ボールは、容量はありますが保存場所としては適していません。
2.本の保存方法
本とは、非常にデリケートで保存にも注意が必要となります。この項目では、本をきちんと保管する方法についてまとめました。
2-1.きちんと本棚に入れる
まず、適切な量を本棚に本を入れましょう。本が斜めになったりギチギチになったりして力が加わらないように注意します。
本棚に本を入れる目安は、取り出すときに無理な力が加わらない程度に入れること。本棚の要領に対して八分目になるように調整しましょう。また、本棚に収納してスカスカになるようであればブックエンドを使います。
2-2.適度に掃除・風通しを行う
大切な本だからと言ってしまい込み過ぎるのも問題です。適度に掃除しましょう。ホコリやチリを取り除くことで虫やカビの発生を防ぎます。
また、風を適度に与えましょう。たまに取り出してページをめくるだけで本の状態はよくなります。
本に風を与えるときは、2日以上雨が降っていない日を選びましょう。また、湿気が最も下がる午前10時~午後2時までにします。
屋外に本を取り出さなくても窓・扉を開けて部屋の中に風を入れるだけで違ってくるもの。部屋の中に入った風を本にさらしましょう。本棚の扉を開けて風に当てるだけでも十分な効果があります。
2-3.プラスチックケースに入れる
今では、本専用の収納プラスチックケースが販売しているのです。また、本のサイズにあったケースであれば代用できます。段ボールと違って湿気から保護できるので試してみましょう。
プラスチックケースと乾燥材を用意します。その中に本を入れて日の当たらない場所で保管しましょう。クローゼットやタンス、押し入れなどがおすすめです。
年にいちどはケースから出して風にさらします。風にさらして虫やホコリを取り除きましょう。
2-4.本棚の置く場所に注意する
本棚を置くときは、絶対に日光が当たらない場所にしましょう。日差しの入る場所に置くのは控えます。
しかし、すでに大きな本棚を置いていて動かすことができないことも考えられるでしょう。その場合は、紫外線をカットするフィルムやビニール材を窓に貼ります。紫外線を避けることで本の状態が変わるのです。
窓側のカーテンを紫外線カットできるカーテンに変えても大丈夫。また、本棚がガラス扉ならば本棚にフィルムを張り付けることもできます。
2-5.帯は外しておく
本の帯を保存している方も多いでしょう。しかし、本を保存するときは外しておくことをおすすめします。帯を付けたままだと出し入れするときに傷むからです。
帯を保存するときは、クリアファイルなどに保管しましょう。帯をファイルに保管しておけば自分が持っている書物の確認も簡単です。
2-6.破れた本の保存
どれだけ丁寧に扱ってもいずれか劣化して壊れるのが本。しかし、できれば本を修繕してでも残したい人もいるでしょう。
本の破れなどを修繕するときは、セロハンテープの使用は絶対に避けてください。セロハンテープを貼ってしまうと変色・はがれによって本の劣化が進みます。
破れたときは、本の補修専用テープ「ペーパーエイド」がおすすめです。経年変化が起こらないテープなので修繕に困りません。
3.保存できない本を処分する方法
大事に保存していた本が破損・引っ越しなどの事情でやむなく破棄する場合があります。そのとき、どのように処分すればいいのかチェックしておきましょう。
3-1.古本屋・リサイクルショップで売る
やむなく本を破棄するときは、古本屋やリサイクルショップで売ります。愛着ある書籍を売るのは心苦しいでしょう。しかし、部屋で保管できないものを置いておくわけにはいきません。
古本屋ならば貴重な本の価値を適切に判断してくれます。絶版や珍しい本があるときは古本屋に向かいましょう。
3-2.不用品回収業者に依頼する
大量に本を破棄するときは、不用品回収業者に依頼することをおすすめします。
本を持ち運ぼうとしたとき、思った以上に重くて運べないことがあるのです。不用品回収業者であれば大量の本でも運び出してくれます。また、日時指定ができるため自分のタイミングで引き取りに来てくれるのもポイント。
最近の不用品回収業者では、買い取りサービスを行っています。本も買い取りサービスの対象となっていることもあるので依頼前に確認しておきましょう。
4.まとめ
いかがでしたか? この記事では、本の保存方法についてまとめました。
本を平積みやギュウギュウに入れる、斜めのままで保管すると形が変形します。また、適度に風に当てないとカビが生えたりシミができたりするので注意しましょう。さらに、手の油やホコリが原因で虫も発生します。
本を保存するときは、本棚に適切な量を入れて保管しましょう。適度に掃除をしてホコリを取り除き風にも当てます。また、プラスチックケースに入れておけば湿気からも本を守ることができるので活用しましょう。