シックハウス症候群かも? と思ったら……ホルムアルデヒドの対策法について
ホルムアルデヒドとは、毒性の強い有機化合物です。
塗料や防腐剤などにホルムアルデヒドが含まれている場合があり、これを使って建てられた家に住んでいると、だんだんと空気中に溶け出してきた毒性によって健康被害が発生するケースがあります。
この現象はシックハウス症候群と呼ばれるものです。
シックハウスの原因物質はホルムアルデヒドが最もポピュラーですが、他にもアセトアルデヒドやトルエン・キシレンなどがあります。
ホルムアルデヒドの対策をすることは、ほとんどイコールシックハウス対策といっても過言ではありません。
今回は、そんなホルムアルデヒドの対策についてお話しします。
シックハウス症候群かな? と思ったら
新築の家に長時間・長期間滞在することで、めまいや頭痛、ほかにもアレルギーのような症状が現れる場合があります。
引っ越しの後から原因不明の体調不良が起きるようになった場合には、まずこのシックハウス症候群を疑い、まずは体調について医師に相談しましょう。
「シックハウス症候群かもしれない」ではなく、どんな体調不良があるのかという事実のみの説明と「最近新築の家に引っ越したばかりである」という情報のみを伝える事で、医師は状況を正しく診断できます。
換気をしながら時期を待ちましょう
もし体調不良の原因が家にある場合でも「すぐに引っ越す」というわけにはいきませんよね。
原因物質が発生する家に住みながら、体調不良を少しでも軽減しつつ生活していくしかないのです。
そこで最も重要になるのが換気、つまりお部屋の空気の入れ替え。
原因物質は空気中に漂っているので、空気を入れ替えることで症状を緩和させられます。
シックハウス症候群の原因が「新築の家」と言われているということは「新築ではない時期」に近づくにつれ、ホルムアルデヒドが発生する毒性の強い物質は次第に和らいでくるものです。
こまめな換気で時間の経過を待てば、いずれ普通に住める家になるということなので、安心してください。
ホルムアルデヒドのために、せっかく建てたマイホームを捨てる必要はないのです。
上手な換気のしかた
換気扇を回せば簡単に空気の入れ替えができる、と思っている方もいるかもしれませんね。
しかし、換気扇はあくまでも上昇する熱気や湯気を外に出すために作られたシステムなので、お部屋全体の空気の入れ替えには向いていないのです。
お部屋の空気の入れ替えには、窓を大きく開ける必要があります。
この場合、空気の動きが大切なので、空気の入り口と出口を作らなければいけません。
入り口と出口になる窓同士が直線で結べる位置関係が望ましいですね。
直線で結べる2カ所の窓をあけていると、空気が一気に通り抜けて行きます。
サーキュレーターや扇風機を使って空気の流れを人工的に作り出すのも効果的です。
寒い冬には、つい窓を閉め切って閉じこもりがちになりますが、最低でも1日に2度は窓をあけはなって空気の入れ替えをするように心がけましょう。
家具が原因のケースも
新築の家ではないのに、シックハウス症候群のような症状が出ている…… そんな悩みを抱えている方は、ひょっとして最近、新しい家具を購入していませんか?
シックハウス症候群の原因物質となるホルムアルデヒドは、家具の塗装などにも使われていますから、家具が原因で症状が起きる可能性もあります。
家具が原因の場合には、その家具を処分してしまえば解決するでしょう。
「せっかく買った家具を処分するのはもったいない」「シックハウス症候群の原因となる家具をリサイクルショップに売るのは気が引ける」「気に入っていたので手放したくない」などなどさまざまな理由で「家具を手放す」ことを選ばないのであれば、家が原因である場合と同様に、その家具のあるお部屋をとくに重点的に換気してください。
おわりに
いかがでしたか?
今回は、シックハウス症候群の主な原因、ホルムアルデヒドの対策についてお話ししました。
ホルムアルデヒド以外にもシックハウス症候群の原因となる物質は多数ありますが、どれも同じ方法で対策をとれます。
せっかくのマイホームが、塗料ひとつで台無しになってしまうのは悲しいことです。
解決しない問題ではありませんから、今回のお話を参考に、つらい時期を乗り切ってください。