カーポートに使われる屋根材の種類は? 比較してご紹介します!

カーポートとは、屋根と柱だけの簡易的な車庫です。しかし、これだけでもあるとないのとでは自動車のいたみ方が全く違ってきます。さて、カーポートの重要な部品といえば屋根です。

今回は、カーポートに使われる屋根材を比較してみましょう。カーポートを建てる場所によって、お勧めの屋根材も変わってくるのです。

また、リフォームやクリーニングの仕方についてもご紹介します。これからカーポートを造りたいという方やカーポートのリフォームを考えている方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。

  1. カーポートのメリットは?
  2. カーポートの屋根材には何がある?
  3. カーポートの屋根素材の決め方は?

1.カーポートのメリットは?

カーポートとは、前述したように屋根と柱だけの簡易的な車庫です。壁がありませんから建築物ではありません。ですから建ぺい率などを考えずに造れます。住宅事情によっては、「車庫は無理だけれどカーポートなら造れる」というケースも多いでしょう。

車庫に比べて建築費が安いのも魅力のひとつです。柱と屋根だけでは、横から雨風が吹きこむのではないか?と思う方もいるでしょう。しかし、屋根があるだけで雨はほぼ防げます。横なぐりの雨が降ることなど、年に何回もないでしょう。

雨以上にカーポートで防げるものに紫外線と雪があります。紫外線は太陽光に含まれていますが、プラスチックを劣化させる働きがあるのです。野ざらしになっているプラスチック製品の劣化が早いのは、風雨ではなく紫外線が原因。車にもプラスチックの部品がたくさん使われていますね。カーポートを設置していれば、車に降り注ぐ紫外線を大幅にカットできるでしょう。

北国ならば雪の被害も防げます。雪は車にとって雨や紫外線以上に厄介なものです。夜の間に雪が降った場合は、下の部分が凍りついてなかなか払い落とせないこともあるでしょう。カーポートがあれば、車に雪が降り積もることもありません。また、屋根があるだけでも気温が高くなりますので凍りつくこともないでしょう。

カーポートをつけると、紫外線や雨・雪による被害を防ぐことができるんですね。
はい。カーポートがあるだけで、車の劣化が遅くなるでしょう。

2.カーポートの屋根材には何がある?

では、カーポートの最も重要な部分である「屋根」の素材にはどのようなものがあるのでしょうか? この項では、屋根素材の種類とその比較をご紹介します。

2-1.塩化ビニール

いろいろなところに用いられている素材です。「波形がついている透明のプラスチック」といったほうが、イメージしやすいかもしれません。カーポートの屋根に使われているものは、ガラス繊維を入れて強度を強めてあります。最も安価な屋根材ですが、耐久性は低いです。

また、紫外線を防ぐ力もそれほどありません。「安価にカーポートを造りたい」という方向けです。そして、台風や雪のない穏やかな気候の地域向けでもあります。

2-2.ポリカーボネート

屋根材の主流になっている素材です。強化ガラスの150倍もの強度を持ち、耐火性にも優れています。また、紫外線を90%カットする効果もあるのです。さらに、ポリカーボネートにほかの素材を加えることで、熱吸収の機能をつけたり汚れにくくしたりすることもできます。ノーマルなポリカーボネートに比べると、付加価値がつくにつれて高価になっていくでしょう。

2-3.金属版

台風が多発する地域や豪雪地帯では、ポリカーボネートや塩化ビニールの屋根ですと強度不足になりがち。そこで、金属板の屋根をつけることで防風・防雪に優れたカーポートを造るのです。

金属板はとても頑丈ですが、いくら軽いものでもカーボネートや塩化ビニールの数十倍の重さがあります。それに合わせて、柱もしっかりとしたものを建てなくてはなりません。ですから、屋根素材のうちで最も高価になりやすいのです。

カーポートの屋根材は複数あるんですね。
はい。好みで選んでもいいですが、豪雪地帯などは業者と相談して選びましょう。

3.カーポートの屋根素材の決め方は?

カーポートの屋根素材を決定するポイントは何でしょうか? この項では、カーポートの屋根素材を決めるときにチェックするポイントをご紹介していきます。

3-1.気候

前述したように、台風や雪の有無はカーポートの屋根素材を決める際の重要なチェックポイントです。「たかが雪くらい」と思ってはいけません。豪雪地帯では、雪かきをしなければ家だって雪の重みで崩れてしまうのです。

また、台風は風の力がすさまじいでしょう。カーポートには壁がありません。風が、カーポートの屋根をひきはがすことだってあるのです。

台風になるといろいろなものが飛んできます。塩化ビニールやポリカーボネートでは、穴が開くこともあるでしょう。ですから、台風が多い地域や豪雪地帯は金属板がお勧めです。

3-2.日差しの強さ

日差しが強いと、車に乗ったときにハンドルが熱くて持てない、ということも珍しくありません。特に、海辺や標高の高い場所では日差しがきつく、塩化ビニールでは防ぎきれないこともあるでしょう。このようなところにカーポートを建てる場合は、熱吸収の機能がついたポリカーボネートがお勧めです。

3-3.カーポートの形

カーポートには柱が2本のものと、4本のものがあります。カーポートを建てる場所によって形は変わってくるでしょう。家の敷地面積が狭いところでは、2本柱のカーポートを建てることが多いと思います。当然ですが、柱が多いほど安定性が高く重いものが支えられるのです。逆に、柱が2本しかないカーポートの場合は軽い屋根の方がよいでしょう。

3-4.屋根の色も考えよう

カーポートの屋根というと透明というイメージがありますが、今はいろいろな色が出ています。また、透明なものは汚れが目立つでしょう。カーポートの屋根がほこりなどで真っ白だと、なんとなく清潔感がありません。もちろん掃除はできます。しかし、カーポートの屋根磨きというのは思っている以上に大変です。

ですから、砂ぼこりが舞いやすい地域や、ばい煙がつきやすい場所にカーポートを建てる場合は、できる限り濃い色を選びましょう。濃い色は熱を吸収しやすいというデメリットもありますが、熱吸収の機能を持つポリカーボネートを使えば大丈夫です。

さらに、「どの屋根素材を選んでいいか迷っている」という場合は、工務店に相談してみてください。地元密着型の工務店ならば、地元の気候に合った屋根素材を教えてくれるはずです。初期費用はかかっても、メンテナンス費用がかからなければトータルの出費は一緒。ですから、カーポートの建設費だけを見て決めないようにしてください。

カーポートを作る場所の気候も屋根材の決め手になるんですね。
はい。特に豪雪地帯は雪の重みに耐えられる素材であることが必要です。

おわりに

今回はカーポートの屋根素材についてご説明しました。

まとめると

  • カーポートの屋根素材は大きく分けて3種類ある。
  • カーポートの屋根素材は、値段よりも地域の気候によって選んだ方がよい。
  • 建設費用だけでなくメンテナンス費用も考えて素材を比較しよう。

ということです。

カーポートの屋根も皆同じように見えて、ひとつひとつ差があります。ですから、よく考えて選びましょう。よくわからない場合は工務店の意見を参考にして中くらいの値段のものを選ぶとよいですね。

「カーポートを自作したい」という方もいるかもしれません。カーポートは単純な造りですから、簡単そうに見えます。しかし、大きさがありますから万が一倒れたりした場合は、大切な自分の車だけでなくほかの人の車や家を傷つけてしまうかもしれません。カーポートのDIYは経験者以外、避けたほうが無難でしょう。

また、カーポートの屋根には乗ってはいけません。人の体重を支えるほどの強度はないため、屋根が壊れます。