ハウスダストの問題点や原因物質をチェック! 対策方法も併せて解説
ハウスダスト症候群という言葉を耳にしたことはあるのではないでしょうか? しかし、ハウスダストがどのような問題を起こすのか、原因物質は一体何なのか……詳しく知らない方が多いはずです。ハウスダストをあまくみていると、喘息やアレルギー症状が悪化するリスクが高まるので注意しなければなりません。
そこで、本記事では、ハウスダストの問題点や原因物質などについて解説します。
この記事を読むことで、ハウスダスト対策も分かります。気になっている方はぜひチェックしてください。
1.ハウスダストの問題点は?
まずは、ハウスダストの問題点について詳しくチェックしておきましょう。
1-1.1mm以下のホコリ
そもそも、ハウスダストとはどのようなものなのか、ご存じでしょうか? ハウスダストとは、ホコリの中でも1mm以下の肉眼では確かめられないもののことです。衣類などから発生する繊維クズ・ダニの死がい・ペットの毛・花粉・カビ・細菌・タバコの煙などさまざまなものがあります。また、ハウスダストは1mm以下かつ軽いものですので、人の動きに合わせてあちこちに移動しやすい点が特徴です。人が活動する時間帯には宙に舞いやすく、人がいないときや寝ているときなどは床に落ちています。
1-2.ハウスダストによる症状
ハウスダストの問題点といえば、ハウスダストが原因で起こるさまざまな症状です。ハウスダストによる症状を「ハウスダスト症候群」と呼ばれることもありますが、以下のような症状が起きやすくなります。
- くしゃみ
- 鼻水・鼻づまり
- 目のかゆみ・痛み
- 皮膚の炎症とかゆみ
- 肌の乾燥
- 喘息(ぜんそく)や咳(せき)
特定の室内に入ると上記のアレルギー症状が発生するケースは、ハウスダストによる症状の可能性があります。
1-3.ハウスダストが原因で病気になることも
ハウスダストによる症状をそのまま放置するのはとても危険です。ハウスダストが舞い上がっている空間で生活を続けていると、病気になってしまう可能性が高まります。ハウスダストは季節を問わずにアレルギーを引き起こし、さまざまな病気の原因になり得るのです。主な病気と特徴に関しては下記を参考にしてください。
- アレルギー性鼻炎:くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどが主な症状
- アレルギー性結膜炎:目のかゆみ・充血・違和感・涙目・痛みなどが起きる
- アトピー性皮膚炎:皮膚のバリア機能が弱い人やアレルギーを起こしやすい体質の人になりやすい。ハウスダストによって皮膚が刺激され、アレルギー症状を引き起こす
- 気管支喘息:空気の通り道となる気管支に慢性の症状が起こる疾患。大量の咳がたまると呼吸困難に陥りやすくなる
1-4.間違った対策は効果がない
ハウスダストは吸い込みやすく、一度発症すると根本的に治すのが困難なところも問題点の1つです。前述したように、人の動きなどですぐに舞い上がってしまうハウスダストは、すぐ人間の口の中に入り込んでしまいます。その結果、アレルギー症状やアレルギー性疾患を引き起こしてしまい、なかなか元に戻すことはできません。また、誰にでも発症する可能性があるということも大きな問題点でしょう。ハウスダスト対策の基本は掃除となりますが、間違った対策や方法では十分な効果は得られないので注意が必要です。ハウスダストの原因物質を知り、それを除去するための対策を施す必要があります。
2.ハウスダストの原因物質
ここでは、ハウスダストの原因物質を紹介します。
2-1.ソファーや衣類などから発生する繊維クズ
ハウスダストの原因物質はさまざまですが、室内で発生する物質としてはソファーや衣類から出てくる繊維クズです。繊維クズは目に見えないものが多く、いつの間にか空気中に漂います。たとえば、あなたがソファーに座ったり立ったりするだけでも繊維クズは空気中に漂ってしまうのです。また、繊維クズが発生するものには、髪の毛・ペットの毛・フケ・皮膚片・食べかすなども付着しやすい傾向があります。さらに、室外からやってくる花粉なども取り込んでしまいやすく、これらもハウスダストの原因物質です。
2-2.空気中に漂っているカビ菌・細菌
空気中に漂っているカビ菌や細菌も、ハウスダストの原因物質です。カビは高温多湿な環境を好み、一般的な家には約360種類ものカビが生息しているといわれています。室内にカビが発生すると、そこからカビの胞子が空気中に飛んでいき、この胞子がアレルギー物質になるのです。そして、アレルギー性鼻炎や喘息といった疾患を引き起こします。中でも、黒カビはアレルギー症状を引き起こしやすいといわれているので注意しておかなければなりません。特に、エアコンが黒カビの温床になっている可能性が高いため、こまめに掃除をしましょう。
2-3.カーペットや布団に潜むダニ
カビと同じく、家の中にはたくさんのダニが存在しています。考えたくありませんが、およそ10~20種類ものダニが存在しているのです。特に多いのは、チリダニ類・コナダニ類・ツメダニ類で、それぞれ隊長が0.3~0.8mmと非常に小さいダニとなっています。そのため、なかなか見つけることができず、いつの間にかダニの餌食になってしまうケースが多いのです。なお、ダニが好む環境は温度が20~30度、湿度が60~80%、食品や食べこぼしといったエサがある場所となります。まさに、カーペットや絨毯・布団といった場所はダニが好む場所ですので、アレルギーが引き起こしやすくなるのです。
2-4.ハウスダストが多く発生する場所をチェック!
ハウスダストが多く発生する場所も、事前にチェックしておきましょう。原因物質を見れば分かるように、目に見えるハウスダストは家具の上・床のすみなど気づきにくいところにたまっている傾向があります。特に、家具と壁のすき間やテレビの裏側など掃除がしにくい場所は、たくさんのホコリがたまっているでしょう。また、洗面所やトイレなど衣服を脱ぎ着する場所も、ハウスダストが舞いやすい場所です。玄関や人が行き来する廊下には、外から入り込んできたハウスダストの原因物質も舞い上がっているでしょう。さらに、照明器具のカバー・天井・観葉植物の葉などもハウスダストが多く発生する場所です。
3.ハウスダスト対策を解説!
ここでは、ハウスダスト対策について解説します。
3-1.モップと掃除機を使って掃除する
1番のハウスダスト対策としては、日ごろからの掃除です。室内にものがある限り、ホコリは必ず発生します。できれば、毎日掃除をしてほしいのですが、時間が足りなかったり忙しくて十分にできなかったりするときもあるでしょう。毎日忙しくしている方は、1週間に1回でもいいのでモップと掃除機を使った掃除を心がけてください。ポイントは、最初にモップで床に落ちているハウスダストの原因物質を取り除くことです。いきなり掃除機をかけると、掃除機の動きや排気でハウスダストが空気中に舞い上がってしまいます。モップ→掃除機という手順で掃除を行い、ハウスダストが舞い上がるのを防ぎましょう。
3-2.空気清浄機を活用する
なかなか目には見えないハウスダストだからこそ、掃除で除去できなかったハウスダストを取り除くために空気清浄機を活用するのも方法の1つです。空気中に舞い上がっているハウスダストは、掃除では取り除くことができません。けれども、空気清浄機を活用すれば、細かいハウスダストを吸収することができるでしょう。また、最近では、花粉やアレルゲン物質といった細かいものでも吸収してくれる性能や、脱臭効果も期待できる空気清浄機が登場しています。ハウスダスト対策のために、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
3-3.布団は水洗いがおすすめ!
ダニやカビの温床になりやすい布団は、干すだけでは除去できないハウスダストが存在しています。ダニやカビはもちろんのこと、汗や皮脂などはきちんと水洗いをして取り除かなければなりません。特に、湿気がたまりやすい梅雨時期や汗をかきやすい夏場は、定期的に布団の水洗いをおすすめします。自宅の洗濯機で洗える布団もありますが、困難な場合はコインランドリーを利用するといいでしょう。また、最近は、布団丸洗い宅配サービスを行っている業者もあります。
3-4.日ごろからできる対策も!
ちょっとした行動がハウスダスト対策になるので、ぜひチェックしてほしいポイントです。たとえば、天気の良い日には窓を開けて換気をしてください。花粉が飛びやすい時期は窓を開けずに、空気清浄機を活用するといいでしょう。換気をして新鮮な空気を取り入れることで、カビやダニの繁殖を最小限に抑えることができます。雨の日はエアコンを使って除湿するのもおすすめです。また、ハウスダストの付着を抑えるために、静電気防止成分配合の衣料用除菌消臭スプレーを使うといいでしょう。日ごろから、ハウスダスト対策を意識することが大切です。
4.ハウスダストに関してよくある質問
ハウスダストに関する質問を5つピックアップしてみました。
Q.アレルギー症状のセルフチェックは?
A.以下に当てはまる項目が多い人ほど、ハウスダストによるアレルギー症状を起こしている可能性が高いといえるでしょう。アレルギー症状の原因となるハウスダストが多く潜んでいると考えられるので、日常生活や掃除を見直す必要があります。
- 室内の掃除を1週間以上サボることがある
- 布団に掃除機をかける習慣がない
- エアコンのフィルター掃除をしていない
- 室内の湿度が高い
- カーペットや絨毯を敷いている
- 寝室に本などものがたくさんある
- 室内でペットを飼っている
- 浴室にカビが生えている
Q.掃除のタイミングはいつがいいのか?
A.ハウスダスト対策として、掃除は朝一番に行うべきです。朝一番の時間帯はハウスダストが床にたまっている状況ですので、掃除には最適のタイミングといえるでしょう。夜、寝ている間にハウスダストが床の上に落ちてくれています。特に、ハウスダストは壁際の床に多く落下する傾向があるため、朝起きたら壁際の床からモップをかけるといいでしょう。また、掃除は上から下にかけて行うことを意識してくださいね。
Q.ハウスダストの予防策は?
A.すぐにできる予防策としては、カーペットや絨毯を除去したり、布製のソファーや照明カバーなど繊維クズが出る素材を避けたりするなどです。布製のものはどうしてもハウスダストの原因物質が出てきてしまうため、なるべく使わないようにしたほうがいいでしょう。また、室内の温度が上がりすぎないように換気を行ったり、風の強い日には窓を開けなかったりする心がけも大切です。風が強い日はホコリや花粉が室内に入り込みやすいので注意してください。
Q.掃除を怠るとどうなるのか?
A.時間が経過するたびにハウスダストは頑固な汚れになってしまいます。その結果、モップなどで簡単に取り除けたハウスダストでも、落ちなくなってしまうというわけです。ハウスダストは、最初家具の上に軽く乗っている状態ですが、掃除を怠るとハウスダストに水分や油分がついてしまい、こびりついた状態になってしまいます。こびりついたハウスダストを除去するためには、水拭きや洗剤を使った掃除が必要になるでしょう。
Q.ハウスダスト対策の掃除に役立つアイテムは?
A.ハンディーモップとフロアモップがおすすめです。伸び縮みができるハンディーモップは、高い場所にあるカーテンレールや照明器具についているホコリを手軽に除去できます。そして、フロアモップは床のハウスダストを取り除くのに便利なアイテムです。ソファーの下や部屋の四隅などにもしっかり届き、ハウスダストを取り除いてくれるでしょう。
まとめ
ハウスダストの問題点は、アレルギー症状や疾患の原因になることが1番大きいでしょう。一度発症してしまうと治るまで時間がかかってしまうので、ハウスダストによるアレルギーを引き起こさないために予防することが大切です。最も効果的な予防策としては、こまめに掃除することでしょう。ホコリ・繊維クズ・カビ・ダニ・食べカスなどがハウスダストの原因物質になるため、定期的に掃除をしてハウスダストの量を最小限に抑えます。日ごろから意識を高めることも重要ですよ。