クリティカルシンキング

クリティカルシンキングの重要性とは? その効果や身につけ方のポイント

今、ビジネスマンが取得すべきスキルの一つとして、クリティカルシンキングが注目されています。その注目度は、世界経済フォーラム(WORLD ECONOMIC FORUM)において、2020年に必要とされるスキル第2位に挙げられているほどです。しかし、クリティカルシンキングという言葉だけでは、具体的にどのようなものなのかイメージできない方も多いでしょう。

そこでこの記事では、クリティカルシンキングの定義や身につけ方・トレーニング方法などをご紹介します。

  1. クリティカルシンキングについて
  2. クリティカルシンキングの効果
  3. クリティカルシンキングの身につけ方
  4. クリティカルシンキングに関するよくある質問

この記事を読むことで、クリティカルシンキングについて詳しく分かるはずです。「なかなか納得のいく結論が出せない」「自分の考えを整理するのが苦手」という方は、ぜひ参考にして、さまざまな場面で役立ててください。

1.クリティカルシンキングについて

クリティカルシンキングとは、物事の現状を批判的にみることで現時点における最適な答えに導くための思考法のことです。まずは、その定義や目的、最近の傾向などをまとめました。

1-1.クリティカルシンキングとは?

「クリティカル」という言葉には「批判的な」という意味があります。あらゆる物事に対して批判的精神を持ち、客観的に思考するのが「クリティカルシンキング」です。ここでいう「批判」とは、「否定」や「拒絶」という意味合いとは異なり、適切な判断によって効率的に「最もよい答え」にたどり着くための思考方法をいいます。

1-2.目的と必要性

物事には必ず「意味」があり、「なぜ、そうなるのか」「本当にそうなのか」をしっかりと考えた上で正しいと思える結論を導き出すことが大切です。クリティカルシンキングによって、物事をまず疑ってかかり、多方面から分析することで、その本質を最適な形で理解することができます。次々と新しい情報が入ってくる今の時代だからこそ、新しいアイデアに取り組む能力を養う必要があるのです。

1-3.ロジカルシンキングとの違いは?

クリティカルシンキングとよく似た言葉に「ロジカル シンキング」というものがあります。ロジカル シンキングとは「論理的思考」のことであり、複雑な情報を整理して分析し、論理的に考えて因果関係を明らかにすることを目的としたものです。クリティカルシンキングとは 「疑うかどうか」という違いがあります。シーンによって使い分けることで、より仕事の成果を上げやすくなるでしょう。

2.クリティカルシンキングの効果

クリティカルシンキングを身につけることで、どのような効果があるのでしょうか? 効果や重要性について見ていきましょう。

2-1.どんな場合に必要か?

以下のような人や企業が持つべき考え方といわれています。

  • 型にはまった考え方しかできない人
  • 自分の考えが正しいか判断できない人
  • 就職活動中の人
  • 新社会人
  • グローバルな考えを持つ企業

2-2.企業や個人においての重要性

企業において一人一人がさまざまな角度から物事をみることができると、議論の質が上がります。その結果、生産性が高まるというメリットがあるのです。個人においても、主観や経験に左右されがちな問題についても、すべての人にとって適切な答えに近づけることができるというメリットがあります。

2-3.効果について

クリティカルシンキングの効果には以下のようなものがあります。

  • ビジネスで成功する可能性が高まる
  • 相手のいいたいことを的確に理解できるようになる
  • 効果的な説得や交渉ができるようになる
  • 問題の見落としに気づけるようになる

3.クリティカルシンキングの身につけ方

では、クリティカルシンキングを身につける方法や注意点をご紹介しましょう。

3-1.クリティカルシンキングのトレーニング方法

訓練は日常生活でも行うことができます。普段から物事に仮説を立てるクセをつけ、その根拠を検討しましょう。人と会話をするときは具体性を持たせること、会話をあいまいにしないことも大切です。会話の内容が本当に事実なのかを常に追求することで、思考力をアップするトレーニングにつながります。

3-2.クリティカルシンキングの流れ

クリティカルシンキングは、以下の5ステップですすめられます。

  • 課題を設定し、目的とコンセプトを明確にする
  • 課題を最適な要素に分けて考えやすい形にする
  • 現状を分析する
  • 仮説を立案し、正しいかどうかを検証する
  • 具体的な行動を実行する

3-3.注意点

使い方によって、クリティカルシンキングは相手に嫌な印象を与えてしまうこともあります。クリティカルシンキングを用いる際は、相手に「感じが悪い」という印象を与えないように注意しなければなりません。誰だって、自分の意見に批判的なことをいわれれば良い気分はしないでしょう。口調や言葉遣いに気をつけ、相手の心証を悪くしないように気をつけてください。

4.クリティカルシンキングに関するよくある質問

「クリティカルシンキングについて知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。

Q.クリティカルシンキングを使わない場合、どのような誤った議論が繰り広げられる可能性がありますか?
A.因果関係の誤った理解や、論点のすり替えなどが生じてしまう可能性があるでしょう。その結果、相手に有利な議論になってしまいがちです。

Q.クリティカルシンキングの習得は子どもにも必要でしょうか?
A.「考える力」を伸ばす上で、クリティカルシンキングを取り入れることは望ましいといえます。実際に、アメリカの教育現場では、クリティカルシンキングによる教え方が主流になっているのです。

Q.クリティカルシンキングの能力を高めるにはどうしたらよいでしょうか?
A.簡単な方法としては、読書をたくさんすることです。さまざまな方面の知識を増やすことで、考え方の幅が広がるでしょう。

Q.クリティカルシンキングが取得できない人にはどのような特徴がありますか?
A.相手の意見に対して質問をしない人、例え話が苦手な人、情報をうのみにしやすい人などは、習得しにくい傾向にあるでしょう。

Q.クリティカルシンキングにおける「フレームワーク」とは何のことですか?
A.日本語でいう「枠組み」のことであり、情報を枠組みごとに整理して意思決定のスピードを上げる方法をいいます。

まとめ

いかがでしたか? 情報化社会と呼ばれる今の時代、クリティカルシンキングを習得することはビジネスシーンにおいて大きな強みになります。与えられた情報をそのまま信じるのではなく、考え方を広げることが大切です。ぜひクリティカルシンキングを身につけて、職場でのコミュニケーションに生かしていきましょう。