カーポートの耐久性はどのくらいあるの? 丈夫さの目安は何?

カーポートとは、屋根と支柱だけの簡易(かんい)的なガレージです。壁やシャッターがついた車庫よりも安価で簡単に作れるので、愛車を守るために作ってあるお宅も多いでしょう。しかし、カーポートを作って何年もたつと劣化が心配になってきませんか?

そこで、今回はカーポートの耐久性や丈夫さについてご説明します。カーポートの平均寿命は、どのくらいなのでしょうか? また、地域によってお勧めのカーポートの種類などもご紹介します。カーポートの建て替えや建設を予定している方は、ぜひこの記事を読んでみてください。

  1. カーポートの寿命は予想しにくい?
  2. カーポートの種類による耐久性の違いは?
  3. カーポートの寿命が短くなる原因は?
  4. カーポートを建て替える目安は?

1.カーポートの寿命は予想しにくい?

どのような建物にも、寿命があります。また、ものによってはおおよその「耐用年数」が記載されているものもあるでしょう。しかし、カーポートの寿命は専門の業者でも予想がつきにくいといわれているのです。

カーポートは屋外に設置されるもの。ですから、自然環境の影響を強く受けます。つまり、穏やかな気候のところに建てられるカーポートもあれば、大雪や突風などにさらされているカーポートもあるのです。

当然、厳しい自然環境のところに建てられているカーポートほど、耐用年数は短くなるでしょう。ですから、一概(いちがい)に「この製品の耐久性はこのくらいですから、×年は持つでしょう」とはいえないのです。

2.カーポートの種類による耐久性の違いは?

カーポートにはたくさんの種類があります。たくさんの車を止められる大きなカーポートの方が値段は高くなりますが、そのほかにも「降雪強度」によっても値段が変わってくるのです。降雪強度とは、カーポートがどのくらいの積雪に耐えられるかということ。降雪がほとんどない地域では、降雪強度が20センチまでのものが一般的です。

一方、豪雪地帯では200センチまでの降雪に耐えられるカーポートも販売されています。降雪強度が大きいほど、カーポートの耐久性も大きくなっていくのですね。

3.カーポートの寿命が短くなる原因は?

では、降雪以外にもカーポートの寿命が短くなる原因はあるのでしょうか? この項では、その一例をご紹介します。

3-1.台風が多い地域

台風は、雨と風が同時に襲(おそ)ってくる災害です。ですから、屋根や支柱に負担がかかるでしょう。シーズン中に何度も台風がやってくるような地域は、カーポートも耐久性の高いものを建てないと、耐用年数が短くなるかもしれません。

3-2.潮風が吹いてくる地域

カーポートの支柱は金属製です。もちろんさび止めもぬられていますが、それでも潮風にさらされていると、耐久性は低くなるでしょう。いくら丈夫なカーポートを建てても、腐食にはかないません。ですから、海のそばに住む場合は耐久性の高いものを建てるよりも、こまめに建て替えた方がよい場合もあるのです。

3-3.日差しが強い地域

カーポートの屋根はポリカーボネートというプラスチックの一種です。このプラスチックは頑丈ですが、強い紫外線が当たり続けると劣化が早くなるでしょう。標高が高い場所や1日中日当たりのよい場所に建っているカーポートは、屋根の劣化が早まる可能性があります。

3-4.朝晩の気温差がある地域

朝晩の気温差がある地域は、支柱が金属疲労を起こしやすくなります。丈夫なカーポートを建てても、金属疲労は防げません。ですから、気温差がある地域に建っているカーポートも、早めに建て替えを検討した方がよいでしょう。

4.カーポートを建て替える目安は?

では、カーポートを建て替える目安はどこにあるのでしょうか? この項では、カーポートを建て替える目安の一例をご紹介していきます。

4-1.風が吹くと大きくきしむようになった

カーポートは、簡易(かんい)的な作りのため、風が吹くとある程度はゆれます。しかし、寿命が近くなると、ちょっとした風にも大きくゆれるようになるでしょう。

また、耳ざわりな音をたてる場合もあります。「何だか最近カーポートがきしむようになった」という場合は、建て替えどきかもしれません。

4-2.屋根の透明度が落ちた

カーポートの屋根は、たいていがすきとおっています。しかし、紫外線で劣化したり砂ぼこりなどで傷ついたりすると透明度が落ちていくのです。カーポートの屋根は定期的に掃除をするとよいですが、掃除をしても透明度が戻らない場合は屋根の素材が劣化していると考えましょう。場合によっては、屋根だけを取り換える工事ができることもあります。

4-3.支柱がぐらぐらする

支柱の強度が下がってくると、ぐらぐらしてきます。特に、内部で腐食が進んでいるとちょっとさわっただけでもぐらつくでしょう。カーポートはもともと軽い素材でできていますの、強くゆさぶるとゆれることもあります。しかし、あまり激しくゆれる場合は建て替え時の可能性が強いです。

5.カーポートの建設はどこに依頼をすればいいの?

カーポートを建設してくれる業者はたくさんあります。少しインターネットを検索しただけで、たくさんヒットするでしょう。中には「全国どこでも出張して建てます」という業者もあります。

カーポートはエクステリアの一部ですから、エクステリア業者が手掛けているところもあるでしょう。ただし、前述してきたようにカーポートは建てる地域によって、耐久年数が変わってきます。同じ製品を使っても寿命が長くなったり逆に短くなったりするでしょう。ですから、豪雪地帯や台風が多い地域など自然環境が厳しい場所に建てる場合は、地元に密着している業者に依頼した方が丈夫で長持ちするカーポートを選んでくれます。

また、海の近くなど金属製のものが腐食しやすい場所にカーポートを建てる場合は、さび止めの塗料を厚くぬってもらうなど処置をするとよいですね。カーポートは乱暴な使い方をしなければ、10年~15年は問題なく使えます。ですから、自然環境に特徴がある地域に建てる場合は、環境に合わせたカーポートを選んでください。

最近は竜巻などの風の被害が相次いでいます。そのため、防風対策をしているカーポートも発売されているのです。「最近竜巻が発生するようになった」という地域にお住まいの場合は、防風対策を施したカーポートの設置も視野に入れておきましょう。

おわりに

いかがでしたか? 今回は、カーポートの耐久性についてご紹介しました。まとめると

  • カーポートの耐久性は立地条件に大きく左右される。
  • カーポートの耐久性は降雪強度で表す。
  • 降雪強度が高いほど、耐久性も高くなる。
  • 自然環境に特徴のある地域は、地元密着型の業者に建設を依頼しよう。

ということです。カーポートは外で使うものですから、どのような製品でも丈夫でしょう。しかし、自然環境によっては寿命が大幅に短くなる場合もあるのです。

また、最近は自然環境も大きく変わり、今まで雪や雨がそれほど降らなかった地域にも大雪や大雨が降ったりしています。ですから、新しくカーポートを建てる場合は、ここ数年の天気を参考にしましょう。昨年大雪が降ったなら、降雪強度をあげたものを設置してもよいですね。

台風など大きな自然災害が起きた後は、念のためにカーポートを点検しておきましょう。思わぬ被害を受けている可能性もあります。