生ゴミの臭いを抑える効果的な対策は? 原因や役立つグッズを紹介
「生ゴミの嫌な臭いを何とかしたい」「生ゴミから臭いを出さないための対策は?」など、生ゴミの臭いで悩んでいる方は多いでしょう。特に、夏場は生ゴミを放置すると、すぐに嫌な臭いが発生してしまいます。嫌な臭いを嗅ぐたびに具合が悪くなったり、臭いに引き寄せられて害虫が出てきたりと、さまざまな悪影響を及ぼしがちです。
本記事では、そんな嫌な生ゴミの臭いを防ぐ方法や対策について解説します。
この記事を読むことで、生ゴミの臭いが発生する原因や効果的な対策などが分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。
1.生ゴミの嫌な臭いの原因は?
効果的な対策が立てられるように、まずは、生ゴミの臭いの原因をチェックしておきましょう。
1-1.菌の栄養分となる有機物
食べ残しや調理中に出た食材くずなど、生ゴミの大部分は菌の栄養分となる有機物です。有機物をエサにして菌がどんどん繁殖し、特有の嫌な臭いが発生することになります。また、カビも繁殖してしまうのです。生ゴミを放置すると微生物がゴミを食べて腐敗が進み、その微生物が出す排泄物で悪臭が発生します。生ゴミは菌やカビの栄養分、そして有機物が含まれているので、菌が繁殖しやすいのです。生ゴミの腐敗が進むほど悪臭が漂うため、きちんと対策を立てておかなければなりません。
1-2.生ゴミの水分
菌やカビが増える原因には、生ゴミの水分も大きく関係しています。もともと生ゴミは水分量が多いのですが、シンクの三角コーナーに放置していると水がかかるので、さらに水分量が豊富になってしまうのです。菌は湿気を多く含んでいる場所で繁殖しやすい特徴があるため、水分が多ければ多いほど菌が繁殖し、嫌な臭いが発生することになります。つまり、水分を減らすことが菌の繁殖を防ぎ、嫌な臭いも抑えることができるのです。
1-3.生ゴミの臭いを作り出す嫌気性菌(けんきせいきん)
生ゴミの独特な臭いを作り出しているのは、嫌気性菌と呼ばれる菌の種類です。嫌気性菌とは、生育に酸素を必要としない細菌のことで、嫌な臭いを発生させます。生ゴミの臭いが充満しないようにビニール袋などでしっかりとふさぎ、ゴミ箱のフタを締め切ると思いますが、酸素量が減っても嫌気性菌が活性化して臭いがきつくなってしまうのです。酸素がない密封された状態でも、嫌気性菌は繁殖し続けることができるため、一度密封したものは二度と開けないようにしましょう。
1-4.温度が高くなるほど菌が増殖する
生ゴミの独特な臭いは、温度も大きく関係しています。菌は温度が高ければ高いほど、繁殖しやすくなるからです。特に、夏場のキッチンは家の中でも温度が上がりやすい場所となっています。そのため、夏になると生ゴミの臭いが気になったり、その臭いを嗅ぎつけてゴキブリが出てきたりしてしまうのです。温度が低くなる冬よりも、夏のほうが生ゴミが腐るスピードが速くなるため、早めに処分するように心がけなければなりません。
2.生ゴミの臭い対策を紹介!
それでは、生ゴミの臭い対策をいくつか紹介しましょう。
2-1.臭いが出ない捨て方を心がける
生ゴミの臭いが発生する原因を踏まえた上で、できるだけ臭いが発生しない方法で捨てるように心がけましょう。まずは、生ゴミの水気を減らすことが大切です。生ゴミを捨てる前に、水気は十分にきってから捨ててください。前述したように、菌の繁殖は水が必要不可欠です。野菜や果物の皮など水分が少ないものはシンクや三角コーナーに放置すると水分を含んでしまうのですぐにビニール袋にしっかり密封してからゴミ箱に捨てましょう。魚の内臓などは新聞紙などの紙に包んでからビニール袋に入れると、より臭いを抑えることができます。
2-2.抗菌作用があるアロマオイルを活用する
ビニール袋で密封しても独特の臭いが気になる場合は、ラベンダーやミントなど抗菌作用があるアロマオイルを使ってみてください。アロマオイル自体に消臭効果はありませんが、抗菌作用が働き、ゴミ箱に数的たらすことで悪臭が軽減できます。また、お酢(水150ml:お酢50ml)とクエン酸スプレー(水250ml:クエン酸小さじ1~2杯)を使うのも方法の1つです。お酢とクエン酸はゴミ箱の中だけでなく、三角コーナーの生ゴミにスプレーすると消臭効果が期待できるでしょう。
2-3.冷蔵庫または冷凍庫に入れる
ゴミ収集日まで外に放置するのが嫌な方は、冷蔵庫または冷凍庫に保管する方法があります。臭いの原因となる菌は温度が高くなるほど繁殖力が強くなり、温度が低くなるほど繁殖力が弱まる点が特徴です。そのため、ジップロックでしっかり密封した後、ゴミ出しの日まで冷蔵庫または冷凍庫に保管します。ただし、密封が不完全だったり、袋が破れてしまったりすると庫内が汚れてしまうので注意しなければなりません。
2-4.三角コーナーを撤去する
三角コーナーを使用している方は、生ゴミの臭い対策として撤去するのも方法の1つです。三角コーナーを設置していると、つい生ゴミをそのまま放置してしまいます。さらに、もともと生ゴミにある水分に加え、シンクにある水分も吸収し菌やカビが繁殖しやすくなるのです。臭いが発生すると、その臭いに引き寄せられて害虫がやってくる可能性もあるため、三角コーナーを置かないようにするのも選択肢の1つでしょう。
2-5.新聞紙に包んで外に捨てる
室内で臭いを発生させないために、生ゴミを新聞紙に包んで外に捨てる方法があります。生ゴミが出たらすぐに水分をきって新聞紙に包んでください。新聞紙は吸収性が高く、インクには招集力があります。水分もカットでき臭いも抑えてくれる優秀なアイテムです。さらに、新聞紙に置いた生ゴミの上に、重曹を大さじ1杯ほど振りかけると臭いを抑えることができます。あとは、そのまま包み、袋に入れて密封し、家の外にあるゴミ箱に入れるだけです。ただし、屋外に捨てることになるため、ゴキブリやカラスなどに荒らされないように注意しなければなりません。
3.生ゴミの臭い対策に役立つおすすめのグッズ
ここでは、生ゴミの臭い対策に役立つオススメのグッズを紹介します。
3-1.地球にやさしい「生ゴミ処理機」
最近、 生ゴミの嫌な臭いを防ぐことができると好評なのが生ゴミ処理機です。生ゴミなど有機物を処理する家電製品のことで、生ゴミを堆肥にしたり乾燥させたりすることができます。家庭菜園をしている方は、生ゴミを堆肥にして再利用できるため、地球にやさしくエコ活動につながるでしょう。初期費用は高くなりますが、ゴミの量を抑制できることから購入する際に助成金を自治体からもらえる可能性があります。生ゴミ処理機の購入を検討している方は、自治体のホームページ等をチェックしてみてはいかがでしょうか。
3-2.生ゴミ専用の消臭スプレーを活用する
フタ付きゴミ箱を使っていても、開けるたびに嫌な臭いが漂うのが嫌な場合は、生ゴミ専用の消臭スプレーをおすすめします。生ゴミに直接スプレーすることで、嫌な臭いを消すことができる役立つアイテムです。中には、シトラスミントなど良い香りが漂うものもあり、生ゴミの臭いをしっかりと抑えることができるでしょう。消臭スプレーの代わりに、クエン酸または重曹を生ゴミの上から振りかけるのも方法の1つです。クエン酸は殺菌効果、重曹は消臭効果が期待できます。
3-3.生ゴミが臭わない袋を使う
ドラッグストアや薬局で販売されている生ゴミが臭わない専用の袋を活用するのも対策の1つです。生ゴミが臭わない袋は、おむつなどの介護やペットなど医療向けにも使用されています。普通のゴミ袋ではない臭いを外へ出さない新素材の防臭袋です。悪臭だけでなく菌も閉じ込めることができるため、繁殖を最小限に抑えることができるでしょう。また、SS~LLまでサイズも幅広く展開されているので、ゴミ箱のサイズに合わせて選ぶことができます。
3-4.ゴミ箱にくっつける「生ゴミ用の消臭シート」
生ゴミの臭いを消してくれる生ゴミ用の消臭シートもおすすめです。消臭シートはゴミ箱の下に敷くタイプと、フタ裏にくっつけるタイプの2つがあります。それぞれくっつけるだけで約2か月間効果が持続し、嫌な臭いをすばやく吸着してくれるのです。消臭シートには活性炭と活性炭素繊維で構成されており、人工酸素が化学分解することで消臭します。炭を使用しているタイプは、赤ちゃんやペットがいる家庭でも安心して使うことができるでしょう。
3-5.湿気対策として「除湿剤」を使う
生ゴミは湿気や水気を含むほど菌が繁殖し、悪臭を発生させてしまうことになります。そのため、生ゴミの上からまたはゴミ袋の中にシリカゲルなどの除湿剤を入れてください。除湿剤を入れて密封してあげることで、さらに除湿効果が高まります。特に、湿気がたまりやすい夏は湿気対策が必要です。ただし、生石灰を使用した除湿剤は使わないようにしてください。生石灰は水に触れると100℃の高温になる恐れがあります。
3-6.生ゴミの水気をきる道具を使う
生ゴミの臭いの原因となる水気をきってくれる道具があります。たとえば、ステンレス製のフタ付き三角コーナー「エポダストホルダー」です。フタがついており、シンクに置くタイプではないので水分をカットできます。また、三角コーナーの代わりに流し台で使い、水をきることができる「アイムディ 生ごみ水切り器 クード」もおすすめです。水をきった生ゴミは新聞紙などに包んで捨てることでシンクを清潔に保つことができます。
4.生ゴミの臭い対策について関する質問
生ゴミの臭い対策に関する質問を5つピックアップしてみました。
Q.生ゴミの量を減らすポイントは?
A.野菜など食材を使いきることです。使いきるテクニックは、生ゴミを出さない・臭いの発生を防ぐ大切なポイントとなります。たとえば、大根の場合は皮をきんぴらにしたり、葉を炒めたりとできるだけ活用するなどです。また、ネギや三つ葉で余った根の部分は、水を少し入れたグラスに入れておけば水耕栽培で再びに使えるほどに育ちます。生ゴミを出すことなく、食材をうまく活用するように心がけましょう。
Q.コンポストとは?
A.生ゴミ処理機と同じく、肥料にすることができるアイテムです。基本的に使い方は同じですが、コンポストは有機物を微生物の働きで分解させて堆肥にします。主に、生ゴミ・下水や浄化槽の汚泥・家畜のフンや尿・農産物廃棄物などを入れることで堆肥にできるため、家庭菜園などをしている方には最適でしょう。比較的、生ごみ処理機よりも安い費用で購入可能です。
Q.生ゴミ処理機の選び方は?
A.主に、生ゴミ処理機はバイオ式と乾燥式の2種類があるので、それぞれの特徴を知ることが選び方のポイントとなります。
- バイオ式:微生物の力を利用し、生ゴミを水と炭酸ガスに分解する
- 乾燥式:熱を加えて水分を飛ばし、カラカラに乾燥させる
バイオ式は音が静かで夜間でも近所への配慮ができますが、屋外設置用のものが多い点が特徴です。一方、乾燥式はバイオ式よりも価格が安く、一般家庭でも取り入れることができるでしょう。ただし、密封度の高いものを選ばないと臭いがもれ出てくる可能性があるので要注意です。また、バイオ式よりも動作音が大きく、夜間の使用は近所迷惑になってしまう恐れがあります。
Q.バイオ消臭剤とは?
A.善玉バクテリアを使用し、生ゴミの臭いを消すことができるアイテムです。バクテリアには汚れを分解しながら細胞分裂を行い増え続ける特徴があるため、汚れの分解効果はもちろんのこと、消臭効果も期待できます。バイオ消臭剤のスプレータイプは使いやすく、人や環境にもやさしいのでおすすめです。
Q.生ゴミのNGな扱い方は?
A.臭いがひどいからといって、ベランダや庭にゴミ袋に入れたまま放置するのはNGです。昼間、太陽の熱によって生ゴミが温められてしまい、臭いが外から室内に入ってくることがあります。さらに、自分だけでなく近隣の人にまで迷惑をかける恐れがあるため、すぐに片付けてください。また、曜日を守らずにゴミ捨て場に捨ててしまうのもNGです。
まとめ
生ゴミの臭いは、水分や菌の栄養分となる有機物によって発生しています。栄養分と水分がたくさんある場所ほど、菌とカビが繁殖し嫌な臭いを発生させてしまうのです。できるだけ臭いを抑えるためには、水分をカットする必要があります。臭いを抑える消臭スプレーや、専用のゴミ袋・消臭シートを使うのも対策の1つです。生ゴミ特有の臭い対策ができるアイテムは多数発売されているので、スーパーまたはドラッグストアなどでチェックしてください。