家事動線に合わせた間取りは? 実例とポイントを詳しく解説!
家事動線が悪い間取りでお困りではないでしょうか。「家事がスムーズに進まない」「家事がやりにくくて時間がかかる」などの場合、家の間取りを改善することで悩みを解消することも可能です。しかし、どんな間取りにすればいいのか、よく分からないこともあるでしょう。
そこで今回は、家事動線に優れた間取りについて詳しく解説します。
この記事を読むことで、家事動線と間取りについて詳しく分かり、暮らしやすい家にすることができます。まずは、記事をじっくり読んでみてください。
1.家事動線と間取りについて
最初に、家事動線と間取りの基本を解説します。
1-1.家事動線とは?
家事動線とは、家の中で家事を行うときの道筋のことです。家事には、さまざまな動作が関連しています。たとえば、洗濯にしても、洗う・干す・取り込む・たたむといった動作があるため、一連の流れがスムーズにできることが効率のいい家事につながるのです。しかし、実際には、間取りなどの理由で洗ってから干すまでに距離がある・物理的な障害があるなどの問題が多く発生しています。そこで、家事動線を見直すことが必要になるのです。新築の建て売り物件では、生活動線に加えて家事動線を重視した間取りが多く見られるようになっています。これによって、ストレスがなく快適に暮らすことができるのです。
1-2.家事動線と間取りの重要性
家事動線のいい間取りに改善すると、以下のようなメリットがあります。
- 家事の時短につながる
- 家事にかかる労力が減る
- 家事のストレスが減る
- 仕事や育児・介護に労力を使うことができるようになる
間取りの変更により家事効率が上がれば、余裕が生まれて家族関係も改善します。家事動線の改善は、家族の幸せにもつながっているのです。
2.家事動線に合わせた間取りを考えよう
家事動線に合わせた間取りを考えるときに必要なことを詳しく解説します。
2-1.家事動線を考えるときの基本
家事動線を考えるときは、以下のようなことが基本になります。
2-1-1.作業を連続しやすいようにする
家事の作業を連続して行いやすいように整えましょう。たとえば、洗濯機と干し場を近くするなどがあります。一連の作業がスムーズに流れることが、家事動線の基本です。
2-1-2.購入した荷物を運びやすいようにする
家事動線を考えるときには、購入した荷物を運びやすいことも重視してください。玄関の段差解消やキッチンへの移動経路を確保すると、荷物を運ぶ労力を軽くできます。
2-1-3.空間や移動経路に十分な余裕を持つ
空間や移動経路に十分な余裕が持っておきましょう。たとえば、移動の際にものに体がぶつからない・人同士がぶつからずにすれ違うことができるなどです。家事のストレスが随分軽くなります。
2-2.現状だけでなく将来も考えて決めよう
家事動線を決めるときは、現状だけを見てはいけません。たとえば、現在夫婦だけであっても将来子どもが生まれる可能性があります。また、自分たちが高齢になったときの使いやすさも考える必要があるでしょう。家族構成やライフプランの変化に合わせ、柔軟に対応しやすくしておくことが大切です。
2-3.家事動線に合わせた間取りの組み立て方
家事動線に合わせた間取りは、以下の組み立て方を参考にしてください。
- 現状で不満がある点を洗い出す
- 生活動線の見直しをする(朝の渋滞の解消・部屋同士の動線の改善)
- 家事動線の見直しをする(家事がスムーズにできるために必要なことを考える)
- リフォーム業者を交えて間取りや家具などの検討をする
実際の間取り変更については、経験豊富なリフォーム業者の意見が役立ちます。理想の間取りを実現するためにも、プロ目線で見たアドバイスを参考にしてください。
2-4.家事動線のために間取りを組むときの注意点
家事動線の間取りを組むときは、どんな家事を優先させるか・現時点で最も困っているものは何かをハッキリさせておくことが大切です。すべての家事がスムーズにできることが理想であっても、現実を考えるとどこかで妥協することも必要になります。優先して改善したいことを軸にし、そのほかの家事をスムーズに行うための工夫を考えていくといいでしょう。
3.家事動線に合わせた間取りの実例を紹介
家事動線に合わせた間取りの実例を3つご紹介します。
3-1.家事動線に合わせた間取りの実例
家事動線のいい間取りに改善した実例を3つご紹介しましょう。
3-1-1.洗濯のしやすい間取り
変更内容
- 物干し場を1階へ移動
- 屋根つきのテラスを設置
従来の間取りでは、洗濯機から干し場まで距離があるだけでなく、物干し場が2階にあるため大きな労力が必要でした。そこで、干し場を1階に移動し、洗濯機の隣にして楽に移動できるようにしました。併せて屋根つきのテラスを設置し、全天候型の干し場になったことも大きなポイントです。
3-1-2.料理がはかどる間取り
変更内容
- キッチンに勝手口を設置
- 冷蔵庫・コンロ・シンクのレイアウト変更
従来の間取りでは、購入したものを玄関から運び入れ、長い廊下を通過してキッチンに持っていきました。そこで、キッチンに勝手口を設けて直接運び入れることができるようにしたのです。同時に料理の動線を見直し、冷蔵庫・コンロ・シンクのレイアウトを見直ししました。結果、料理の準備から仕上げまで毎日ストレスなく行うことができる間取りになったのです。
3-1-3.掃除が楽な間取り
変更内容
- 部屋の間仕切りを取って大きな部屋にした
従来の間取りでは、細かく部屋が仕切られていたため、部屋ごとに掃除をするのが大変でした。しかし、夫婦2人だけで子どもを持つ必要がないこともあり、思いきって部屋の間仕切りを取って大きな部屋につなげたのです。部屋ごとに掃除道具を運ぶ手間もなくなったため、掃除かかる労力が減り、結果的にほかの家事までスムーズに進めることができるようになりました。
3-2.失敗から学ぶものも多い
間取りの配置は、失敗から学ぶものも多くあります。悩んだ経験が、理想の間取りに導いてくれると考えてください。また、改善策でもいまひとつ便利になったとは思えないこともあるでしょう。しかし、さらなる改善のためとステップとし、前向き捉えることが必要です。試行錯誤を繰り返しても、最終的に家事動線が改善し、使いやすくなれば問題ありません。
4.家事動線と間取りについてよくある質問
最後に、家事動線と間取りについてよくある質問に回答します。それぞれ確認し、参考にしてください。
Q.家事動線を優先すると生活感が出すぎるのでは?
A.確かに、家事動線のいい家は生活感が出やすいことは事実です。しかし、スタイリッシュな家電を選ぶ・シンプルな家具やインテリアを選ぶなどの工夫により、生活感を強調せずに家事動線を確保することもできます。
Q.新しい家が家事動線に優れる理由は?
A.たとえば、以下のような理由があります。
- 廊下が広い
- 部屋数をむやみに増やしていない
- 部屋同士の移動が楽な設計になっている
- 生活動線が確保されている(特定の場所に人が渋滞しにくい・すれ違いにくさがない)
ただし、新しい家というだけで上記をカバーしているわけではないので、自分の目で確かめることが必要です。
Q.家事動線に問題があるとどんな悪影響がある?
A.以下のような悪影響が出やすくなります。
- 家事が中途半端になりがち
- 身体的に大きな負担になる
- 家にいると精神的にイライラしやすい
特に、家事を中心に行う人に致命的な問題です。
Q.家事動線を考えると和室より洋室のほうが有利でしょうか?
A.洋室が有利といえます。和室は基本的に畳の上に座ることになるため、何らかの理由で移動するたびに立ち上がる必要があるからです。また、スリッパのまま歩くことができないため、和室に入るたびに面倒が発生します。掃除のしやすさを考えても、和室より洋室のほうが家事動線を確保しやすいといえるでしょう。
Q.業者に相談する以外に家事動線のいい間取りを参考にする方法は?
A.たとえば、モデルハウスの見学がおすすめです。モデルハウスは、住宅会社で最新の間取りを紹介していることが多く、家事動線に優れたものがたくさんあります。いろいろと見学していくうちに、理想の間取りを描きやすくなるでしょう。また、住宅雑誌やインターネットにも多くの情報があるので参考にしてください。
まとめ
今回は、家事動線と間取りについて詳しく解説しました。まずは、現状でどんな不満があるのかを把握し、改善方法を考えていきましょう。洗濯・料理・掃除など、どんな不満があるのかすべて書き出し、優先順位をつけてください。優先順位の高い悩みを解消する間取りになれば、家事の効率が上がりスムーズに進むのでストレスを大幅に削減できます。どんな間取りがいいのか・どこを改善するべきなのかなど、いろいろと考えてみてください。モデルハウスの見学や住宅雑誌・インターネットで調べるだけでなく、プロの業者に相談すると理想の間取りが見えてきますよ。