後輩の指導はコミュニケーションがポイント! 効果的な方法とNGも紹介

後輩の指導はコミュニケーションがポイント! 効果的な方法とNGも紹介

新入社員や異動してきた後輩の指導を任されたら、どうしますか? 自分の仕事も忙しい中、どのように後輩を指導したらいいのか悩んでいる人もいることでしょう。世代が違う後輩には、自分が教わった方法ではうまく伝わらないこともあるものです。この記事では、後輩の指導に悩む先輩社員のために、効果的な指導方法やポイントを紹介します。

  1. 後輩の指導について
  2. 後輩の指導の悩み、難しさについて
  3. 後輩の指導の方法について
  4. 後輩の指導に関するよくある質問

この記事を読むことで、後輩を指導するポイントがよく分かります。後輩からは頼られる先輩に、上司には一目置かれる部下になるため、ぜひ参考にしてください。

1.後輩の指導について

新入社員が新人研修を終えると、配属先が決まります。そこで先輩社員による指導が始まるのが一般的です。教育係は入社2~3年目の先輩が担当することが多く、指導に不慣れなため、どうやって指導したらいいか戸惑う声も多く聞かれます。ここでは、後輩を指導する在り方について解説しましょう。

1-1.後輩の指導とは

会社における先輩・後輩は、大学時代の部活やサークルの先輩・後輩のような関係ではありません。指導の目的は、後輩が業務を覚え、一人前に仕事ができるようにすることです。指導するときは、一方的に指示命令を下すのではなく、後輩が自ら考え、問題解決できる人材に育てることが大切になります。

1-2.後輩の指導は後輩のためだけではない

先輩が後輩の指導をするということは、二つの重要な役割があります。一つは、新人を戦力として育てるという点です。会社の業務は一人では成り立ちません。新しく配属された後輩に業務内容を教え、スキルアップを促すことで、強いチームを作ることができます。それは、会社に貢献することにつながるでしょう。
もう一つは、後輩の指導は担当する先輩社員の成長にもつながることです。指導するにあたって、今まであいまいだった知識を再度勉強したり、分かりやすい説明方法を考えたりすることもあるでしょう。こうして業務への取り組みをさらに深めることができます。また、後輩の育成に悩んだり壁に突き当たったりすることで、人間的にも成長するでしょう。

2.後輩の指導の悩み、難しさについて

後輩の指導を始めてみると、うまく指示が通らなかったり、結果につながらなかったりすることもあるものです。ここでは後輩指導の難しさについて解説しましょう。

2-1.後輩指導の悩みと困りごと

後輩を指導するとき、世代の違いによって話がうまく伝わらないということもあるでしょう。そんなときは、「最近の若者は」などと相手のせいにせず、よく話を聞くなどしてコミュニケーションをとることが大切です。
一方、うまくコミュニケーションをとっているつもりでも、後輩が異性の場合、何気ない一言がセクハラと受け取られかねません。同性でもパワハラには気をつけましょう。
また、最近では、中途採用などにより、同年齢や年上の人が後輩として配属されることも多いものです。この場合、こちらが気を使っていることを察して、相手も想像以上に気を使っていることがあります。年齢にかかわらず業務上では先輩なので、信頼関係を築けるように接しましょう。

2-2.指導力は信頼の上に成り立つ

指導力を養うにはどうすればいいでしょうか? 人を指導するときに重要なのは、教える側が教わる側から信頼を得ているかどうかです。信頼を得るためには、日頃のコミュニケーションを大切にしましょう。結果だけに目を向けるのではなく、後輩の行動に注意を払い、本音で接することで、相手も心を開いてくれます。
また、指導するには口で言うだけでは不十分です。まずはお手本を示して、そのあとで後輩にやらせてみましょう。うまくできたら丁寧に褒めることが肝心です。指導する側の先輩は、日頃の仕事ぶりを後輩がしっかり見ているため、自分の仕事はぬかりなく完結させておきましょう。

3.後輩の指導の方法について

後輩の指導について、効果的な方法やNGポイントなどを紹介します。

3-1.指導する人が知っておきたいこと

後輩の指導にあたって大切なことの一つに、物事に対して「共通の認識を持たせる」ことがあります。何をしなければならないか(What)や、一つ一つの業務のやり方(How)はもちろん教えなければなりませんが、その前に、「なぜそれをするのか(Why)」を必ず伝えましょう。ここをおさえておくことで、軸がしっかりして、応用がきくようになります。何か困った事態が起こっても、自分で何をどうすればいいのか考えて対処できるようになるでしょう。一つの企業を支える人材として共通の認識や価値観を持ち、自律的に行動することで、企業は大きく飛躍します。
また、指導係の役割は、新人と上司との橋渡し役とも言えるでしょう。後輩の意見を吸い上げたり、上司の意向を伝えたりすることも大切です。潤滑剤となって、職場全体のコミュニケーションがうまくいくように努めましょう。

3-2.後輩の指導方法について

指導の手法には「コーチング」の考え方を取り入れるといいでしょう。コーチングとは、相手が本来持っているポテンシャルを引き出し、目標達成へのプロセスを応援するものです。そのためには、相手の話をよく聞くことから始めます。以下の指導方法を参考にしてください。

3-2-1.傾聴する

コーチングは対話を重ねることによる相互のコミュニケーションです。目標は先輩からただ与えるのではなく、話を注意深く聞くことで、本人の気づきを促していきます。自発的な目標設定ができたら、達成に向けて行動できるようサポートしましょう。報告に対しても、なぜそのように行動したのか、どんな意見を持っているのか、まずは話をよく聞くことが大切です。

3-2-2.指示&フィードバックはセットで

指示を出しっぱなしにせず、必ずフィードバックを行います。結果だけでなく、プロセスも見て評価しましょう。悪い評価も次の成長につながるため、恐れずに伝えることが大切です。

3-2-3.効果的な質問をする

相手が自分で答えを導き出せるような質問をしましょう。質問といっても、「なぜできないんだ?」という聞き方では、叱責しているように聞こえてしまいます。「どうすればできるようになると思う?」と問いかけることで、相手の自発的な考えを促すことができるでしょう。

3-2-4.チャレンジできる環境を作る

後輩に、指示どおり仕事をこなすことだけを求めていたのでは、大きな成長は望めません。新しいことにチャレンジできる環境を用意することで、モチベーションも上がるでしょう。もし失敗しても叱らずに、挑戦したことに対してはプラスの評価をして、結果に対しては次につながるような声掛けが必要です。

3-3.後輩指導のポイント

  • 指示は具体的に簡潔に:やるべきことが明確な場合、期日・数量など、具体的に指示を出す
  • 叱るときは理由も一緒に:頭ごなしに叱ったのでは委縮してしまう。失敗の経緯を聞き、「どこがどのように悪いか」を明確にする。改善の指導では「なぜこうするのか」理由を説明する
  • 相手の性格に合わせてアプローチを変える:マニュアルに当てはめるのではなく、相手に合わせた指導を心がける
  • 日報を活用する:業務の進捗状況の確認や振り返りができる。指導する側にも受ける側にも有効

3-4.注意点、NG行為など

よくありがちなNG行為と改善案を紹介します。

  • 感情的に叱らない:感情にまかせてコミュニケーションをとらないようにする。叱ったあとはいつまでも引きずらない
  • 否定ばかりしない:頭ごなしに否定されると自信をなくしてしまう。ミスは否定するのではなく、改善に向けての指摘として伝える
  • 余分な口出しはしない:口うるさい指導は逆効果。任せて見守ることが大切
  • 他人と比べない:「○○を見習え」など、他人を基準にした評価ではなく、目標やプロセスに対して評価を行う

4.後輩の指導に関するよくある質問

後輩の指導やそのポイントについてよくある質問をまとめました。

Q.何度言っても失敗をする後輩はどのように指導すればいいでしょう?
A.同じような失敗に見えても、失敗の原因は違うかもしれません。失敗したプロセスをよくヒアリングして、解決策を本人に考えさせてみましょう。

Q.後輩に「報連相」の大切さを教えたいと思います。どのように伝えたらいいでしょう。
A.まずは自分で実践しているところを後輩に見せましょう。一般的に「報連相」は目上の人に対して行うものですが、先輩から後輩に報告・連絡・相談をしてみるのも効果的です。

Q.後輩を叱るタイミングを教えてください。
A.ミスの指摘は後回しにせず、なるべくその場で本人だけに伝えます。感情的に叱るのではなく、悪かった点を指摘するスタンスで伝えましょう。解決策は全体で共有します。

Q.教えるべきことがたくさんあるのですが、なかなか覚えてくれません。どうしたらいいでしょう?
A.一度にすべてを教えようとしてもかえって逆効果です。スモールステップで確実に覚えられるよう計画してみましょう。

Q.自分がミスしたときはどうしたらいいですか?
A.ミスを隠そうとせず、相手が後輩でもきちんと謝罪しましょう。

まとめ

後輩を指導することは、面倒に思うこともあるでしょうが、自分の成長につながるチャンスでもあります。数年前までは、自分も後輩として先輩に指導してもらったことを思い出してみましょう。後輩は一緒に目標を達成する仲間です。共に成長していけるよう、いいコミュニケーションを築いていきましょう。