梅雨のカビ対策はどうすべきか? 掃除方法や予防法などを詳しく紹介
梅雨は、気温や温度が上昇するため、カビが生えやすい時期です。また、冬でも、外気と室温の差によって結露が起こり、カビが生える可能性があるので注意しなければなりません。カビが生えてしまった場合の対処法や、カビの予防法などを覚えておきましょう。
カビは、咳(せき)などアレルギーの原因となるものです。カビは未然に防ぎ、広がらないようにしましょう。梅雨を迎える前に、カビ対策をしっかり整えてください。
1.梅雨にカビ対策が必要な理由
梅雨にカビが発生しやすい原因や、放置する危険性などを考えていきましょう。
1-1.湿度が高い
梅雨は雨が続きます。そのため、湿度が高くなり、室内に湿気が充満してしまうのが、カビが発生する原因です。特に、湿度が70%を上回ると、カビが発生しやすくなります。
1-2.気温の上昇
梅雨は気温が上昇し始める時期です。気温の上昇に加え、高湿度の状態が続くと、カビを誘発してしまいます。通気を維持し、室内の空気が入れ替わるようにするか、エアコンで温度を調整するようにしましょう。
1-3.ホコリや汚れなどがカビの栄養源となる
ホコリ・汚れ・食品カス・髪の毛などは、カビの栄養源となります。定期的に掃除をし、清潔な状態を維持することが大切です。衣類の繊維なども、カビの栄養源となるので注意してください。
1-4.カビを放置するとアレルギーや肺炎を誘発する
カビは、空気中に胞子を放つため、人が吸い込むとアレルギーや肺炎を誘発します。梅雨に注意したいのは、夏型肺炎と呼ばれるものです。夏型肺炎は、トリコスポロンというカビの胞子によって発症します。アレルギーは放置すると慢性化しやすいといわれているのです。
1-5.水回りなど湿気がこもりやすい場所は注意が必要
カビは、湿気が多い場所に発生するものです。キッチン・お風呂・トイレなどの水まわりは、特に注意してください。また、通気が悪くなりやすい家具のすき間や押入れの中・結露が発生しやすい窓周辺なども、カビが生えやすいでしょう。エアコン内部も水分が残りやすく、カビの温床となるので注意してください。
2.梅雨のカビ対策の基本
カビ対策で押さえておきたいポイントをご紹介します。
2-1.乾燥した状態を維持する
湿気はカビを誘発するため、適度に乾燥した状態を維持しましょう。窓を開けて換気をする場合は、晴れて湿気が少ない日を選んでください。雨天時は、エアコンの冷房や除湿で湿度を調整することをおすすめします。
2-2.低温を保つ
室温の上昇は、食品の腐敗などにもつながります。また、高湿度で高温な状態が続くと、カビの発生率も高まるものです。室温が上がりすぎないよう調整し、換気をこまめに行いましょう。室温は25℃を目安に調整してください。
2-3.栄養源を断つ
カビは、ホコリや汚れなどをエサにして繁殖するため、こまめに掃除を実践することが大切です。ただし、カビが生えてしまった場合、掃除機を使うとかえってカビの胞子を拡散してしまいます。カビが生えている場所は拭き掃除をし、仕上げにアルコールで消毒してください。
3.梅雨のカビ対策:予防法
梅雨のカビ予防に役立つアイデアをご紹介します。
3-1.除湿グッズを活用しよう
除湿効果のあるグッズは、たくさん市販されています。除湿剤・除湿マット・除湿機だけでなく、重曹や炭も代用品として使用可能です。重曹はボトルなどに入れ、ボトルの口にガーゼをかけて使いましょう。重曹が湿気を吸着したら、新しいものに交換してください。炭は、室内や押し入れに置いておくだけで除湿・消臭効果を発揮します。竹かごなどに炭を入れて利用すると便利です。
3-2.布団はこまめに天日干しをする
就寝中は、コップ1杯分の汗をかきます。布団に湿気がこもるため、天日干しで汗を発散しましょう。よく晴れた日に行うことがポイントです。シーツや枕カバーもこまめに洗濯し、カビの栄養源を取り除きましょう。
3-3.家具の背面は壁から離す
家具の背面は、湿気がこもりやすい場所です。壁にぴったりとくっつけず、少し離すようにしましょう。通気が維持され、カビが生えにくい環境にすることができます。
3-4.部屋干し時はサーキュレーターなどを使う
梅雨は屋外で洗濯物を干すのが難しいものです。部屋干しをする際は、サーキュレーターや除湿機などを併用し、室内の湿度が上がりすぎないように工夫しましょう。
3-5.お風呂を使った後は水分を残さない
お風呂に入った後は、高温多湿の状態になります。窓を開放して湿気を逃がし、お湯は抜いて水分を残さないようにしましょう。換気扇も同時に使ってください。ただし、室内に湯気が入り込まないよう、お風呂の扉は閉めておきましょう。お風呂場は、タイルの目地などもカビが発生しやすいため、使用後はシャワーで汚れや石けんカスを洗い流すと効果的です。
4.梅雨のカビ対策:掃除・除去方法
カビが生えてしまった場合、どのような掃除を行えばいいのでしょうか? カビの除去方法をご紹介します。
4-1.アルコールで拭き取る
アルコールでカビを除菌しましょう。乾いた布にアルコールスプレーを吹き付け、外側から内側に向かって拭き取ります。拭き取り掃除後は、しっかり乾かしてください。アルコールは、消毒用と記されているものがおすすめです。
4-2.頑固なカビはカビ取り剤を使う
頑固なカビは、アルコールを使った掃除だけでは落とすことができません。市販のカビ取り剤を使い、根からしっかり除菌しましょう。カビの生えている場所にカビ取り剤をスプレーし、15〜30分ほど放置します。カビ取り剤をしっかりすすぎ流し、歯ブラシなどでこすり洗いをしてください。こすり洗い後、再度すすぎ洗いをし、乾いた布で水分を拭き取りましょう。
4-3.クレンザーで磨く
タイルの目地などに入り込んだカビは、クレンザーを使った掃除がおすすめです。クレンザーに水を少し加えて溶かし、スポンジにつけてこすりましょう。クレンザーの成分が残らないよう、水でしっかりすすいでください。
4-4.カビ除去をするときはマスクと手袋を装着すること
カビの胞子を吸い込むと危険です。カビの除去をする前に、マスクと手袋を装着し、体の中に胞子が入らないように注意してください。また、衣類や髪の毛にカビ取り剤などが付着しないよう、安全に配慮して進めることが大切です。
5.梅雨のカビ対策における注意点
梅雨のカビ対策では、どのような点に注意すればいいのでしょうか? ポイントをご紹介します。
5-1.エタノール濃度は80%より高いものを選ぶこと
消毒用エタノールは、濃度がさまざまです。濃度が80%より高いものを選ぶことが、カビの除去におけるポイントとなります。ただし、消毒用エタノールはカビを殺菌する効果はあっても、漂白作用はありません。カビによって黒ずみができた場合は、漂白剤やカビ取り剤などを使い、汚れを落とすことが大切です。
5-2.掃除機を使ってカビを吸い取らない
カビの除去に掃除機を使うのは危険です。排気とともに胞子が広がり、カビによる被害が拡大してしまいます。まず、布で拭き取り掃除を行い、カビを取り除くようにしましょう。また、拭き取り掃除後は、消毒用エタノールで殺菌し、カビの再発を防ぐこともポイントになります。
5-3.カビの除去用と仕上げ用の布は違うものを使う
掃除をする際は、布を2枚用意してください。カビの除去用と仕上げ用は違うものを使います。カビの除去をした布は、カビの胞子が付着しているため、仕上げ用に使うとカビの再発を後押しする恐れがあるからです。
5-4.カビの除去は通気を維持して行うこと
カビの除去をする際は、安全に配慮し、通気を維持していってください。特に、カビ取り剤は臭気が強く、気分が悪くなる恐れがあります。必ず換気をし、マスクを装着することが大切です。換気をする際は、窓を2箇所以上開けましょう。
6.梅雨のカビ対策でよくある質問
梅雨のカビ対策に関する質問を集めました。
Q.カビを放置すると害虫も発生しやすくなるのか?
A.はい、害虫の発生リスクも高まります。また、カビは独特の悪臭を放つため、アレルギー症でない人でも不快に感じることがあるでしょう。放置せず、見つけたらすぐに対処することが大切です。
Q.市販の除菌スプレーではカビ取り効果は期待できないのか?
A.アルコール濃度が低いものは、カビ取り効果が期待できません。また、無水エタノールと記載されているものは、カビの胞子を殺菌する効果がないのです。必ず、アルコール濃度が80%より高い消毒用エタノールか、除菌に効果があるパストリーゼなどを使用してください。
Q.梅雨のカビ対策に温湿度計は役立つのか?
A.はい、役立ちます。温度や湿度の変化は、自分では気づきにくいものです。温湿度計があれば、適切な環境であるかどうかを確認することができます。
Q.マンションでもカビ対策は必要なのか?
はい、必要です。近年は高気密住宅が増え、マンションでもカビの発生が多くなっています。断熱・遮熱効果が高い分、結露も起こりやすいものです。予防意識を持ち、カビ対策をしっかり行いましょう。
Q.押し入れやクローゼットのカビ対策はどうすればいいのか?
A.除湿剤・除湿機を活用するとともに、スノコを敷いてものを直接床に置かない工夫をしましょう。スノコがあれば、湿気が自然に逃げていきます。また、こまめに扉を開放し、空気が循環するように意識することも大切です。
まとめ
梅雨は高温多湿になるため、カビが発生しやすい時期です。カビを放置すると健康被害が起きるため、カビの発生を見つけたらすぐに除去しましょう。カビの除去をする際は、掃除機を使わず、アルコールなどで拭き取り掃除をすることが大切です。また、普段から通気を維持し、温度や湿度を調整することで、カビを予防することができます。カビが繁殖する前に、適切なカビ対策を整えてください。