土地選びを失敗すると家が傾く? 知っておくべき土地購入の注意点

所帯を持ったら真っ先に考えることといえば、家を持つかどうかではないでしょうか。家を買うとなれば、より良い土地を選びたいと思うはずです。

より良い土地というのにはいくつかの条件があることをご存じでしょうか。何もしらずに土地を選ぶと、最悪家が傾いたり壊れたりすることもあります。ですから、しっかりとした土地を選ばなければいけません。

そこで、今回は土地を購入する際に注意すべきことを中心にご紹介してきたいと思います。

1.土地購入時の注意点とは?

1-1.土地の履歴を調べよう!

土地を選ぶ上で最も大切なことは、履歴を調べることでしょう。土地の履歴というのは、土壌汚染や浸水歴、埋め立て地かどうかなどです。

なぜ土地の履歴が最も大切なのか。それは、場合によっては安全や健康を害することとなるからです。

たとえば、埋め立て地は1番避けなければ行けない土地といわれています。いまだに記憶に新しい東日本大震災では、埋め立て地として有名な浦安市で大規模な液状化現象が発生し、家が傾くなどの被害が生じました。

液状化現象は土の中に水分が多く含まれている砂地盤で発生する現象。そのため、埋め立て地などのように水分が多く、地盤の軟らかい場所は液状化現象が発生しやすいのです。

同じ理由で、浸水歴のある土地も避けた方がよいでしょう。ただし、浸水歴があっても地盤がしっかりとした土地なら液状化現象は起こらないので、その点については安心できます。その代わり、浸水対策に家の基礎を高くする必要などが出てくるでしょう。

また、土壌汚染も気をつけなければいけない点の1つです。普通に生活する分には影響がありませんが、家庭菜園を行ったりすると、汚染物質を摂取することとなってしまいます。それに、汚染された土地は普通安くなりますから、しらずにほかの土地と同じ値段で買ったら損ですよね。値段交渉の要素にしてみてください。

1-2.道路の環境を調べよう!

土地周辺の道路環境も必要な要素の1つです。ここでいう環境とは単純な交通量や道路状況などにとどまらず、バスの本数やバス停の位置なども含んで考えてください。

交通量や道路状況についてですが、交通量が多い地域だと渋滞に巻き込まれやすくなります。通勤で車を使う場合、大きなデメリットになるでしょう。

バスの本数やバス停の位置についても重要です。車で移動するから関係ない、と単純に考えてしまう人も多いと思います。しかし、家を買って後々子供を作るとなると、とても重要な要素です。さすがに、子供の通学まで来るまで送り迎えするのは大変でしょうし、考慮すべき点でしょう。

1-3.治安について調べよう!

治安についても土地を選ぶ上で非常に重要な項目といえます。日本で治安が悪い地域というと東京の歌舞伎町や福岡県の北九州市などが有名。歌舞伎町は水商売の店が多いために治安が悪く、福岡県は暴力団が多くいることから治安が悪い地域です。

特に、福岡県は手りゅう弾がたびたび発見されることから、手りゅう弾を触らないようにというポスターが貼られています。さらには、ロケットランチャーが倉庫から発見されるということもありました。

もちろん、東京や福岡のすべての地域で治安が悪いわけではありません。場所によっては治安がよいところも多くあります。しかし、治安の悪い地域があるのも事実。しらずに選んでしまうと、後悔することになります。しっかりと確認しておきましょう。

1-4.公共施設や商業施設の有無や距離を調べよう!

せっかく高額なお金を払って購入するのなら、住みやすい土地がいいですよね。住みやすい土地というのは、どれだけ便利な立地かということ。

住んでいて便利と感じる項目といえば、やはり付近に使用頻度の高い施設があるかどうかでしょう。近くにあると便利な施設は、以下のようなものが代表的です。

  • 医療機関(病院・歯科医院・診療所・助産所・施術所・薬局)
  • 小・中学校(義務教育課程の学校)
  • 公園
  • 市役所
  • 消防署
  • 郵便局
  • 銀行
  • スーパーやデパート
  • ドラッグストア

このほかにも、なくても困らないがあると便利なものに、以下のようなものがあります。

  • 映画館
  • 図書館
  • 博物館系施設(美術館・科学館・水族館・植物園・動物園)
  • 遊園地
  • 福祉施設(老人福祉施設・児童福祉施設・障害者福祉施設)
  • 墓地・霊園
  • 宗教施設(神社・お寺・教会・モスク)
  • 運動場・体育館

土地購入の際には、以上の施設でどれが必要なのかをしっかりと吟味してから行うようにしてくださいね!

1-5.嫌悪環境がないかどうかを調べよう!

嫌悪環境がないかどうかも非常に重要な判断ポイントです。嫌悪環境というのは以下のようなものが挙げられます。

  • 騒音
  • 悪臭(ドブ川やゴミ屋敷など)
  • 化学工場
  • 廃墟(はいきょ)
  • 風俗店
  • 暴力団
  • 暴走族
  • ギャンブル施設(パチンコ・スロット)

嫌悪環境の多い施設では、どれだけ立地がよくても避けた方が無難です。特に騒音、悪臭、工場が近くにある場所は避けた方がよいでしょう。なぜかというと、改善される見込みが薄いからです。

また、暴力団や風俗店、暴走族などが多い地域だと、子供の情操教育によくありません。子供のいる家庭は避けた方がよいでしょう。

1-6.近隣住民について調べよう!

近隣住民に外国人が多いかどうか。近隣住民の宗教がどうなっているかなどといった、近隣住民の状況も土地購入前に調べておくべき点です。これを怠ると、後々トラブルに巻き込まれることになるかもしれません。

たとえば、東京の新宿区には有名宗教団体の本部や、宗教団体が支援する政党の本部が設置されています。イスラム教やキリスト教の方、無宗教の方がしらずに住めば、宗教観の違いなどでトラブルになる可能性もあるでしょう。ですから、事前に調査しておいてくださいね。

2.地盤のよしあしを調べる方法とは?

2-1.データを利用する

基本的には国土交通省の公開しているデータを利用し、そのほか企業の収集しているマップなどを利用しましょう。そのほか、市町村で公開されている昔の地図などで埋め立て地かどうかなどを把握できます。

2-2.地名から判断する

地名で把握する方法も効果的です。たとえば、以下のような水辺にまつわる字(水辺に生息する動植物の字も含む)が使われている場所は、地盤が軟らかくて危険な場合があります。というのも、地名の由来はその地域の状況からつけられていることが多いことが理由です。現在では川がなくてもかつては川があったり、現在は沼があったのに今は埋め立てられていたりするということがあります。ですから、現在の状況では判断しないでください。

水辺の字

  • 磯(いそ)
  • 清(きよ・せい・し)

水辺の動植物

  • 蒲(かま・がま)
  • 菅(すが・すげ)
  • 蓮(はす)
  • 鴨(かも)

水辺の施設

また、このような水辺の文字以外にも、(海抜が)低いことを示す字の使われている地名も要注意。なぜかというと、水は高いところから低いところに流れるからです。当然、水を含みやすく地震に弱い地盤といえます。

低地の字

  • 窪(くぼ)
  • 久保

代表的な低地を示す字は以上のようなものとなります。ちなみに、皆さんご存じ渋谷なども、その字が示すとおり低地です。

2-3.神社やお寺の近くの土地を選ぶ

古くから建っている神社やお寺は、地震などの際に影響を受けづらい場所に建てられています。だからこそ、何百年もの間存在できるのです。

東日本大震災のときも、周りはすべて津波にのみ込まれていたのに、分かっていたように神社の付近だけは被害がなかったということがありました。歴史のある神社やお寺が建てられている付近は、優良な土地といえるでしょう。

まとめ

いかがでしたか?

今回は土地購入の際に注意すべき点について中心にご紹介しました。

  1. 土地購入時の注意点とは?
  2. 地盤のよしあしを調べる方法とは?

土地の購入は一生のうちで、最も大きな買い物の1つです。適当に選ぶことはせず、しっかりと吟味して選びましょう。