あなたのお家の外構は大丈夫?お庭の水はけを良くする5つのポイント
住宅の外構って、とても重要です。特に水はけ。水はけが悪いと、衛生的にもよくないだけでなく、ガーデニングを楽しもうにも、植物はうまく育ってくれません。住まいの印象も暗くなりがちです。水はけが悪いのはどこに原因があり、どうすれば水はけを改善できるのでしょうか。分かりやすく紹介します。
1.外構はお家の顔
外構とは、お住まいの外にある構造物をさす言葉です。「お家の顔」ともいわれます。
外構にあたるのは、門、車庫、アプローチ、塀や柵(さく)、垣根、さらには、植栽などです。エクステリアという表現も使われますが、その場合は、構造物というより装飾・デザインなどの意味合いが含まれています。
庭は、厳密にいえば、外構とはいわないでしょう。しかし、外構工事では庭に植栽などが施されるケースがほとんどです。ですから、外構と庭は密接な関係にあります。ここでは、庭を中心に、水はけの問題を考えてみました。
2.水はけが悪い原因
水はけが悪い原因には、土自体に問題があるか、地盤に問題があると考えられます。それぞれ以下のような点が想定されるので、確かめることが必要です。
2-1.土に問題がある場合
土に問題がある場合は、以下のようなことが考えられます。
- 土質が粘土・赤土質である
- 土の粒子が砂より細かい
- 植えている樹木などで根詰まりしている
- もともと低地など湿地帯だった
- 庭の手入れを怠ってしまったため、土が劣化してしまった
2-2.地盤に問題がある場合
地盤に問題がある場合には、以下のようなことがうかがわれます。
- 家をつくるときに重機で締め固めた
- もともと地盤が弱かった
- 地下に岩盤がある
- 地下水が湧き出している
- 近くに高い場所があり、地下水の通路になっている
水はけが悪いと、庭に水がたまり、湿った状態が続きます。すると、どうなるのでしょうか。まず、庭に植えている植物は酸素を吸収することができなくなり、窒息して枯れてしまいます。それだけでなく、湿った状態だと、病害虫が繁殖しやすくなり、衛生上も問題です。
3.水はけをよくする方法
水はけをよくするには、原因である土と地盤の問題を解決する必要があります。どのような方法があるのでしょうか。
3-1.自然にまかせる
自然にまかせるというのは、何もしないという意味ではありません。自然の流れにまかせるという意味です。水は高い場所から低い場所に流れます。だったら、水が流れるようにお庭に傾斜をつけてはどうでしょうか。水を流したい場所の土を取り除き、その土で反対側の場所に盛り土するといった方法が考えられます。
庭にたまる水の9割は、地下に浸(し)み込まずに側溝などへ流れる表面排水といわれますし、このように表面排水で処理するのが理想ではないでしょうか。まず自然の法則にまかせ、それでも水はけが悪い場合は、次の方法を考えることをおすすめします。
3-2.土壌を改良する
水はけが悪いのは、土に水が通る隙間がないからです。ですから、この土を水が通れるように隙間をつくる必要があります。
まず、土を耕してやわらかくして空気を入れてやってください。そして、土よりも粒子が大きい砂利や腐葉土を混ぜると、もっと効果的です。お庭が広い場合、耕すには労力がかかりますが、砂利や腐葉土の費用を加味しても、それ程費用がかからずに改良することができます。
3-3.水はけがいい土を盛り土する
土を耕すのがめんどうな方におすすめです。もとの土壌の上に、水はけがいい土を盛り土してください。その際は、植物の根の深さに合わせて盛り土することが必要になります。
手軽な方法に思えますが、難点は2つです。
1つ目は、すでに植木やお花がある場合、いったん抜いてから盛り土し、改めて植え直さなければならないこと。相当な労力が必要だと思います。
2つ目は、盛り土することで地面が高くなり、お住まいへの影響が心配されることです。たとえば、お住まいの基礎の部分がすっぽり隠れてしまう心配もあります。サッシの下端との高低差があまりなくなり、豪雨の際には浸水する心配だって出てくるでしょう。
お住まいとの関係を考えてから決めてください。
3-4.暗きょで排水する
ここからは、地盤が悪い場合に多く使われる方法です。
暗きょとは、地下に埋め込んだり、フタをしたりした水路のことをいいます。暗きょ排水とは、要するに土の中に水が通る道をつくってあげて、水はけをよくする方法です。
地面に溝を掘り、そこに排水管を埋め込み、周りを砂利や小石で覆います。そして、排水管の先に深い穴を掘って砂利と砂を敷き詰め、雨水がたまる場所にするのが基本的な仕組みです。土をかぶせるかフタをするので、じゃまになることもありません。
3-5.浸透枡(ます)を設置する
浸透枡とは、雨水が地面に浸み込む機能をもった設備のことです。周囲に穴があいた枡を地中に設けて、雨水が地中に浸み込むようにして水はけをよくします。暗きょとセットで設置すれば、排水効果はバツグンです。浸透枡は、河川や側溝への雨水の流入を減らすことができるため、自治体によっては助成制度を設けているところもあります。お住まいの自治体に問い合わせてみてください。
4.お家の顔づくりはプロが安心
外構はお家の顔だといいました。顔を表現するお庭は、やっぱりすっきりときれいでありたいものです。水はけが悪いと住まいそのものだけでなく、そこにお住まいの人にとっても健康上、よくありません。
紹介した水はけを良くする方法は、DIYで行うこともできます。ただし、慣れていないと、手間がかかるうえに、仕上がりが悪くなるのではと不安でしょう。しかも、暗きょや浸透枡となると、とても大がかりな工事です。
美しいお庭にしたいならば、やはりプロに依頼するのが一番安心なのではと思います。
5.まとめ
お住まいの外構、中でもお庭について、水はけが悪い原因はどこにあるのか、どうすれば水はけをよくできるのかという点を中心に紹介しました。
水はけが悪いのは、以下のような原因があります。
土が原因の場合は、
- 土質が粘土・赤土質である
- 土の粒子が砂より細かい
- 植えている樹木などで根詰まりしている
- もともと低地など湿地帯だった
- 庭の手入れを怠ってしまったため、土が劣化してしまった
地盤に問題がある場合は、
- 家をつくるときに重機で締め固めた
- もともと地盤が弱かった
- 地下に岩盤がある
- 地下水が湧き出している
- 近くに高い場所があり、地下水の通路になっている
また、水はけをよくする方法として、5つを紹介しました。
- 自然にまかせる
- 土壌を改良する
- 水はけがいい盛り土をする
- 暗渠(あんきょ)で排水する
- 浸透枡(ます)を設置する
水はけがいいお庭は、人間だけでなく植物も健康にしてくれます。1日も早く水はけをよくして、健康的な暮らしと楽しいガーデニングライフを送ってください。