【解説】ソーラーカーポートの安全な施工を!メリットとデメリットをご紹介
今まで太陽光発電といえば、住宅などの屋根に設置することが一般的でした。しかし、一部の方には、屋根の上に重たいものを設置するのが不安、屋根の形状が太陽光発電に向かない、美観を損ねるなどの理由から避けられていたのも事実です。
太陽光発電を取り入れたいけれど踏み切れなかったという方が多かったため、新しい設置方法が開発されました。屋根付き駐車場に太陽光パネルを設置するもの。ソーラーカーポートと呼ばれています。
また、住宅の屋根と同時に設置し、より多く発電量を確保する方もいるのです。太陽光発電導入を検討されている方は、この記事を参考にしてみてください。
1.ソーラーカーポートの特徴
太陽光発電は、住宅の屋根以外にも取り付け可能です。屋根が北側の場合、太陽光発電パネルを設置しても十分な発電が得られないこともあるでしょう。せっかく費用を出して設置しても、無駄になってしまっては意味がありません。
1-1.駐車場の屋根を活用
駐車場の屋根に設置するソーラーカーポートという方法はいかがでしょうか?敷地内にカーポートを設置するゆとりがあるのなら、ぜひ活用してみてください。住宅の屋根と同時に、ソーラーカーポートを導入して、2カ所から発電する方法もあります。
1-2.既存のカーポートに設置
カーポートに太陽光発電パネルを設置するためには、2つの選択肢があります。既存のカーポートに太陽光発電パネルを設置する方法と、太陽光発電パネル付きカーポートの新設です。
前者の場合、問題になるのは既存のカーポートが十分な強度を持っているかどうか。太陽光発電パネルは非常に重たく、1枚あたり15〜20kgとされています。複数枚を組み合わせて設置するため、十分な補強が必要です。
1-3.太陽光発電パネル付きカーポートの新設
強度の不安を解消できる導入方法は、太陽光発電パネル付きカーポートを新しく設置すること。太陽光発電にはいくつもの配線が必要です。しかし、あらかじめ配線類を目立たないように隠してありますので、外観を損ねる心配もありません。
仕上がりの美しさを気にされる方は、太陽光発電パネル付きカーポートを新設するといいでしょう。
1-4.スタイル
カーポートのスタイルは大きくわけて2つ。屋根をどのように支えるかで変わります。
支柱が2〜3本を左右どちらかに設置した片側支持タイプ。片流れとも呼ばれています。駐車する際に支柱が邪魔せず、敷地が狭くても設置できるのが特徴です。
支柱を左右どちらにも取り付けた両側支持タイプ。デザイン性と機能性に優れ、安定感があるのが特徴です。2台以上駐車可能なワイドタイプもあります。
2.ソーラーカーポートのメリット
屋根の設置より気軽に始められるソーラーカーポート。太陽光発電は家庭に大きなメリットがあります。
2-1.駐車スペースの有効活用
本来は車を停めるだけの場所である駐車場が、太陽光発電エリアになるのは大きなメリットです。デッドスペースを有効活用し、狭い場所でも高い発電量が期待できます。
電気自動車を所有している方は、専用充電アダプターを設置することで簡単に充電を済ませることが可能です。
2-2.メンテナンスが簡単
屋根に設置するより低く手が届きやすい場所であるため、メンテナンスや修理などが簡単であるメリットがあります。設置工事もしやすく、管理しやすい設置方法でしょう。
2-3.災害時の備えに
太陽光発電は、災害時の備えとしても注目されています。停電が起きても必要な電力を確保できるのがメリットです。停電時は自動で運転停止し、手動切り替えによって自立運転を開始します。太陽光発電が稼働中なら、電気を使うことが可能です。非常用として自家発電を考えている方にも最適でしょう。
2-4.デザイン性が高い
屋根に太陽光発電パネルを設置すると、景観を損ねると懸念して諦めてしまう方は多いものです。しかし、カーポートのデザインは豊富で、どんなエクステリアにもマッチングします。
2-5.固定資産税の対象外
カーポートそのものは独立した工作物であり、固定資産税の対象です。しかし、カーポートに取り付けた太陽光発電パネルは動産扱いとなり、固定資産税対象外になります。
3.ソーラーカーポートのデメリット
多くのメリットがあるソーラーカーポートですが、導入前には必ずデメリットも知っておくようにしましょう。設置にあたり注意すべきポイントにもなります。
3-1.設置場所
ソーラーカーポートの設置場所は屋根より低いため、周囲の建物や植物などの影にならないか確認しておく必要があります。設置しても影が邪魔をして、想定していた発電量が得られない可能性もあるのです。太陽光発電パネル設置費用を効率よく回収するためには、十分な発電が得られる環境が大切。
設置にあたり、一定量の発電が望める場所を選ぶことが重要でしょう。季節によっても最適な角度は異なるので注意が必要です。
3-2.初期費用
設置するために必要な初期費用は、2台分のサイズで230万円前後、3台分で290万円前後とされています。初期投資が必要なため、効率よく回収できる設置場所を選ぶことが大前提です。価格が高いのに回収できなければ意味がありません。導入前に、設置環境や発電量などを専門家に検証してもらうと安心でしょう。
3-3.耐久性
既存のカーポートに増設する場合には、強度や耐久性を専門業者としっかり相談するようにしてください。本来カーポートを設置する目的は、雨をしのぐために簡易的な屋根になるもの。既存のカーポートの材質や構造をよく把握し、きちんと対策を取ってから設置してください。
太陽光発電パネルは1枚あたり15〜20kgと重く、複数枚を組み合わせて設置します。カーポートには、十分な耐久性が必要です。
3-4.建築確認をしなければならない
建築物に該当するカーポートは、事前に建築確認を行うことが必要です。自宅敷地内にカーポートを設置することがほとんどだと思いますが、住宅だけで建ぺい率や容積率が目一杯だということもあります。
いざソーラーカーポートを設置しようとしても、増設の許可が下りないことも珍しくありません。また、無断で設置してしまった場合、違法建築物扱いで撤去対象になる可能性もあるでしょう。
4.まとめ
ソーラーカーポートについてご紹介しました。
- ソーラーカーポートの特徴
- ソーラーカーポートのメリット
- ソーラーカーポートのデメリット
カーポートの屋根はデッドスペース。太陽光発電パネルを設置することで有効活用できます。屋根に設置するより施工やメンテナンスも簡単です。
既存のカーポートに設置する場合は、強度や得られる発電量をしっかり確認すること。また、増設前に許可が下りないと、違法建築物として撤去の可能性もあります。