家を買うタイミングっていつ? 適切な年齢・年収を知る3つのポイント
人生の買い物の中で最も大きな買い物、それが「家の購入」です。建売にしても、注文住宅にしても、大きな金額が動くことに間違いはありません。
家の購入を考えた時に一番気になるのが、住宅の価格やローン返済期間などお金のことでしょう。数千万円はくだらない買い物ですから、どうやって返済していくのかは大きな問題です。
しかし、家を建てる時期は「お金が貯まったとき」ではありません。さまざまな要素を考慮して初めて自分のベストタイミングをはじき出せます。
この記事では、家を買うタイミングの見分け方やポイントについてご紹介しましょう。
1.家を買う前に必ず確認しておくべきこと
1-1.家の貯蓄、どれぐらい?
家を購入する際は、多くの人が「頭金」を用意し、それを家の購入にあてています。頭金の分は家の購入金額から引かれ、残りの分をローンで支払っていくのが一般的です。頭金が多ければ多いほど残りのローンが少なくなり、返済が楽になります。
家の貯蓄がどれぐらいあって、頭金にどれぐらい充てられるのか。ローンは月々どれぐらいまで払っていけるのか。そんな家の台所事情をしっかりと把握しておきましょう。
また、今の貯蓄はもちろんのこと、ローンの返済期間をどれぐらいに設定するのかも大きくかかわってきます。お金のシュミレーションが最も大切な部分ですから、手を抜かず、しっかりと家族と話し合いをしてください。
1-2.あなたの家族、今のままですか?
家を買う人の多くは家族がいる人でしょう。結婚して家族ができるかも、またはできた、というタイミングで家の購入を考える人が多そうです。
ただし、家族の人数は今のままとは限りません。一番考慮しておくべきなのは、子どもが今から増えるかどうかですね。
子供は二人ぐらいと考えていても、三人・四人と授かることもあります。とても喜ばしいことですが、子供が二人の計画で家を建てていた場合、不都合なことも出てくるでしょう。
何人で住む予定にするのか、将来両親と一緒に住む可能性はあるのか。そんなライルスタイルも考慮しておくべきことの一つです。
2.家を買う時の適切な年収・年齢
2-1.家を購入できる年収って?
家を購入するなんて、年収が高い人だけができることでしょ? そんな風に思っている人も多いでしょう。大きな金額が動く家の購入では、年収も問題になりがちです。では、どれぐらい年収があれば「家を購入してもOK」となるのでしょうか。
よく言われているのは「年収の5倍までの家を購入するのがベスト」という説です。これに従えば、年収300万円程度なら1500万円程度の家の購入が可能、ということになります。最近は年収が300万円程度でも借りられる住宅ローンが存在しているので、この説も間違いではありません。
ただし、当然ながら家の金額はその大きさや形態、どこに立てるかによって違ってきます。年収が高ければよいのではなく「その年収で買える家を買う」というのが重要なわけです。
年収300万円で土地付き一戸建てを注文住宅で購入するとすれば、土地の価格がぐっと低い場所に建てることになります。
年収の5倍まで、というのはあくまでも目安。頭金や金利を考慮し、月々の返済プランを立ててみて「ここまでなら大丈夫」というラインを自分で考え、それに合わせて家を購入しましょう。絶対に街中の一等地に家を建てる!という場合は年収を上げる努力が必要になることも十分ありえます。
2-2.シュミレーションの仕方
前述した通り、「家を購入できる年収」という明確なものは存在していません。購入する家の金額によって変わってくるからです。そして、家を購入する際に大きなポイントになるのがローンに回せるお金がどれぐらいあるのか、ということ。
借りられる額を借りるのではなく、返せる額から借りる金額を算出していきます。限度額いっぱいまで借りてしまうと、支出の増加に対応できません。
返済に充てる金額は年収の2割程度が限度ですから、それを超えない範囲で返済できる金額を借入しましょう。これは細かくシュミレーションしていけば確実にはじき出せます。家族と話し合いながら、紙に書き出して計算するのがおすすめです。
- 今払っている家賃
- 毎月の食費
- それぞれのお小遣い
- 子供たちにかかるお金
- その他雑費
できれば家計簿をつけていき、それを参考にして計算していきましょう。毎月の結果をもとに、無理のないローンの範囲を探っていきます。毎月可能な返済額がわかると、住宅ローンの借入可能額も予測可能です。
借入できる金額の例
毎月返済額が8万円・25年ローンだった場合:1687万円借入可能
毎月返済額が12万円・35年ローンだった場合:3118万円借入可能
※金利3%、元利均等、ボーナス返済なしの場合
これをもとに考えていくと、
- 年収400万円で35年ローン・頭金500万円の場合、購入できる物件は2,000万円程度まで
- 年収500万円で35年ローン・頭金500万円の場合、購入できる物件は2,500万円程度まで
これはあくまでも目安ですが、おおよその範囲は予測できますね。
自分の返済できる金額の範囲で無理なく家を購入していきましょう。
2-3.何歳ぐらいが敵齢?
住宅ローンは早く返したほうが良い、というイメージがあると思います。年を取ったら収入がなくなる可能性もありますから、当然ですね。では、家を買う年齢は何歳ぐらいが適切なのでしょうか。
30歳でローンを返し始めた場合、35年ローンなら返済し終わるのが65歳です。最近は定年が65歳ぐらいですから、定年までに返し終わる計算になり、より安心できます。
会社の定年までに払い終えることを前提とするなら、30歳ぐらいでローンを組むのが理想的でしょう。70歳までにはローンを返済し終わっておいたほうが良いですから、35歳で35年ローンぐらいが限界です。
それ以上の年齢で家を購入するのであれば、頭金を多めに設定しておきましょう。頭金があるなしで返済金額は変わってきますし、返済期間が長くなればなるほど利息の支払額が大きくなり、トータルの返済金額が高くなります。
『頭金を多めにし、早めにローンを組み、返済期間を短くする』これが一番お得なわけですが、なかなかそうもいきません。
頭金を貯めて短い期間で返すのか、頭金はなくても長い期間で返すのか。あなたのライフプランにしたがって選んでくださいね。
3.住宅ローンについて
3-1.住宅ローンの種類
家を購入する場合、必ず「住宅ローン」が必要になります。一括現金でという人は少ないと思いますので、住宅ローンを使用して返済していく人がほとんどでしょう。
住宅ローンには『公的住宅ローン』と『民間住宅ローン』の2種類があります。平成19年に公的住宅ローンである「住宅金融公庫」が廃止となるまでは、公的住宅ローンを優先し、足りない部分は民間で、というのが安全なローンの組み方でした。
ですが、住宅金融公庫が廃止となった今は、民間住宅ローンを中心に住宅ローンを組むのが一般的です。
民間の住宅ローンは、各金融機関が作った独自のローンが最も浸透しているといってよいでしょう。主流が民間に移ったことによって競争が激しくなり、以前よりもローンの種類が増えました。民間住宅ローンを個人が調べて理解するのは、多大な労力が必要な時代です。
3-2.賢い住宅ローンの選び方
とは言っても、住宅ローン選びは重要な項目です。数十年にわたって返済していくわけですから、少しでもお得なローンを選ぶのが鉄則と言えます。では、住宅ローンを選ぶときに大切なのは何かというと、それは「金利」です。
金利が低いほうが返済する金額が低くなり、負担も少なくなります。複数のローンを組み合わせる場合は、金利が低いところから優先して考えていくのが鉄則と言えるでしょう。
また、金利には「変動金利型」「固定金利型」の2つがあります。金利はさまざまな要因で推移しますので、事前に予測を立てるのは非常に難しいでしょう。金利上昇のリスクを考えるなら、固定金利型がおすすめです。
まとめ
家を購入する際の年齢や年収、タイミングについてご紹介しました。家を買うタイミングは
- 65歳までにローンを払い終えられる年齢(30歳~35歳前後)
- 年収の2割程度をローン返済に充てても暮らしが成り立つ
- 家族構成がある程度固まっている
これらがベストタイミングの目安となります。あくまでも目安ですので、あなたのライフプランと照らし合わせることを忘れずに! 家族との話し合いも必要ですし、金利のことも調べてみる必要があります。
住宅ローンなど難しいことは専門家にお願いするのも有効な手段です。できる限りのシュミレーションをして、自分だけのベストタイミングを見つけてください。