納骨堂のメリットとデメリットを紹介!後悔しない選び方をするために
納骨堂のメリットとデメリットについてご紹介しましょう。
近年、従来の墓石を用いたお墓より、室内に遺骨を安置して供養を行う納骨堂を選ぶ人が増えてきています。
特に土地の確保が難しい都市部では、納骨堂の需要が大きくなっているのです。
また、永代供養を望む人の中にも、納骨堂を選ぶケースが増えてきています。
納骨堂にはいくつか種類があり、かかる費用も異なるため、選び方には注意が必要です。
納骨堂について詳しく知りたいという人、必見です。
1.納骨堂とは
もともと納骨堂は、墓地に埋葬するまで一時的に遺骨を預かってもらうものでした。
そのため、一般的には預かり期間が決まっているのです。
ただし、更新可能で期間延長ができる納骨堂がほとんど。
この延長線上で、最近では、納骨堂を一時的なものとはせずに永代供養の場として利用する人が増えているのです。
実際に、永代供養墓を兼ね備えた施設も増えてきています。
納骨堂もお墓と同様に継承者がいて、家ごとに設けてあるのが一般的です。
納骨堂はお墓を屋内に入れ、マンションのようにしたものと考えると分かりやすいでしょう。
近年は「後継者がいない」「お墓の管理が難しい」などの事情を抱える人が増え、永代供養という考え方をする人も少なくありません。
納骨堂は基本的に後継者がいて代々管理継承をしていくものです。
しかし、そういった人に対して、従来の継承型ではなく、永久供養を前提としたものが年々増加しています。
2.納骨堂のメリットとデメリット
お墓か納骨堂かで迷う人は多いと思います。
納骨堂のメリットとデメリットを参考にして、どちらがベストか考えてみましょう。
2-1.費用が安い
納骨堂はお墓に比べて金額感が明確です。
お墓よりも安く、墓石や永代使用権など、別々に購入する必要もありません。
お墓は平均すると150万円前後の墓石費用がかかり、その上に「永代使用権」という土地代が100万円程度必要になるのです。
そのほかにも、年間管理費、檀家(だんか)になった場合はお布施など、定期的に出費がかさむことになるでしょう。
その点、納骨堂は費用が明確で安く済みます。
もちろん、納骨堂がなくならない限りは、遺骨の継承問題などが発生することもないでしょう。
2-2.利便性がよい
納骨堂は、比較的立地条件のよい場所にあります。
首都圏であれば駅から徒歩圏の場合もあるでしょう。
公共交通機関の便利な場所に建設されることが多いため「お墓参りに足を運ぶのが大変」という人も安心して利用できます。
2-3.宗派を問わない
納骨堂はお墓と違い、宗教に属している必要がありません。
外国籍や他宗教でお墓に入れない人も利用できるのです。
もちろん、ほとんどの場合で檀家(だんか)になる必要がありません。
ただし、一部宗教に属していることが条件の納骨堂もあるため注意が必要でしょう。
2-4.そのほかにもさまざまなメリットが
納骨堂は屋内墓地であるため、季節や天候を気にする必要がありません。
室内で参拝できるため、雨の日も真夏の暑い日も、快適に過ごすことができるでしょう。
また、バリアフリー化がすすんでいるため、高齢者でも安心しておまいりができます。
たとえ後継者がいなくなっても、寺院の管理者によって永代に供養してもらうことができるのも、納骨堂の大きなメリットでしょう。
2-5.デメリットも知っておこう
便利で注目を集めている納骨堂。
デメリットもあるということを知り、慎重に検討する必要があります。
まず、供えものができないという点。
お線香を供えることができないところも多く、その場合は専用の祭壇を用意している場合がほとんどです。
また、納骨堂は屋内に設置するため、その規模に合った大きさになります。
お盆の時期などはお参りに訪れる人も多いため、手狭さを感じることもあるでしょう。
さらに、ルールが多いのも納骨堂のデメリットです。
ペットの同伴や館内でのお食事を禁止している納骨堂が多く、屋外の霊園より制約は多いでしょう。
3.納骨堂の種類
納骨堂は「壇の種類」によって5種類に分かれています。
それぞれの主な特徴をまとめてみましょう。
3-1.仏壇式
上段に仏壇があり、下段にお骨を安置するスペースが設けられています。
家族代々にわたって継いでいく形式が多く、納骨壇としては料金も高めなのが特徴です。
個別の壇になっているため、上段、下段とも自由に使える空間が多いのがメリットでしょう。
安置スペースも広めになっています。
3-2.ロッカー式
同じ大きさのお壇が集合していることからこのように呼ばれています。
最近はすてきなデザインの壇も多くなり、料金も比較的選びやすい価格帯が増えてきているでしょう。
個別での安置になるため、故人を身近に感じることができるのがメリットです。
3-3.機械式・可動式
専用カードを機械にとおし、タッチパネルで操作することで遺骨がおまいりスペースに移動するタイプです。
収納できる遺骨数が大変多く、外観や設備が充実しているのが特徴。
最新式であるため「新しいお墓」というイメージが強いでしょう。
葬儀も執り行える広い会場や安置スペース、休憩室などを備えた納骨堂も多くなっています。
3-4.位牌(いはい)式
お内仏様の脇に位牌(いはい)を立てる形式です。
遺骨の安置スペースは別に設けている納骨堂が多いでしょう。
ロッカー式に比べて費用が安いのが特徴です。
3-5.合葬式
永代供養塔の中に棚があり、遺骨を安置する形式です。
骨壺(こつつぼ)のまま安置する形式と、すぐに合祀(ごうし)する形式とがあります。
最も費用を抑えることができるのがこのタイプでしょう。
4.納骨堂の選び方
最後に、納骨堂を選ぶ際のポイントや注意点をご紹介します。
4-1.宗派を問うのか
納骨堂は寺院が開設している場合がほとんどです。
過去の宗派について問われることはないでしょう。
しかし、「宗教一切不問」「檀家(だんか)になる」などの条件がある場合もあるため、事前に確認を忘れないようにしてください。
4-2.経営状態に問題はないか
管理や経営状態がしっかりしているかどうかも、大切なポイントになります。
納骨堂の老朽化がすすんでいる場合、災害で被害を受けることなども考えられるでしょう。
安全対策はどうなっているのか、改修や修理の必要が発生した場合の費用負担はどうなるのかなど、あらかじめ確認しておく必要があります。
4-3.施設内容は充実しているか
今はよくても、自分が老いてからのことを考える必要もあります。
バリアフリーなど、年をとってからでも利用しやすい施設であるか確認しておきましょう。
車で行くことも考え、駐車場の台数や位置などもチェックが必要です。
4-4.決める前には必ず見学を
納骨堂を決めるときに資料だけを参考にする人も多いでしょう。
しかし、必ず見学をして実際に見ておくことが大切です。
納骨堂は、大切な人が長い時間を過ごす場所。
よい環境であるか、お寺の考え方はどうかなど、しっかりと自分の目で見て確認した上で決定しましょう。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。
納骨堂には屋外のお墓にはないメリットがたくさんあります。
しかし、その反面デメリットもあるということを覚えておきましょう。
その内容が自分にとってどのくらい重要であるかを考え、ベストな方法を選ぶようにしてください。